ハードコア・パンクバンドのBRAHMAN(ブラフマン)のメンバーの素顔にクリエイティブディレクター・箭内道彦氏が迫ったドキュメンタリー映画『ブラフマン』(公開中)の1回限りの東京凱旋上映が13日、東京・渋谷シネクイントで行われ、BRAHMANのメンバー4人とフォトグラファーの三吉ツカサ氏がトークショーを繰り広げた。

トークショーの模様(左から、TOSHI-LOW、KOHKI、MAKOTO、RONZI、三吉ツカサ氏)

BRAHMANのオフィシャルフォトグラファーである三吉氏が東京・パルコギャラリーXで写真展「One Band, One Photographer, 20 years. BRAHMAN and Tsukasa Miyoshi Photo Exhibition」を開催。そのことを記念して、最終日となる13日に今回のトークショーが行われた。東京で写真展を展開するのは初めてという三吉氏は、「ちょっと自信もついてきて、大きな壁面でやるのがやっとしっくりきた」と、その成功を振り返った。

ボーカルのTOSHI-LOWが「写真展の物販さ、Tシャツはわかる」としながら、「入れ物売ってたじゃん、キッチンとかに置いてあるやつ、しかも1,000円で」とツッコミを入れると、舞台裏からタッパーを手にしたスタッフが登場。"バスタブ"と呼ばれるそれに、なみなみとウィスキーの水割りを作ってふたをし、シェイクしてから飲むのがBRAHMANのツアー中の部屋飲みスタイルだという。"バスタブ"で5人が乾杯するとTOSHI-LOWは一気に飲み干し、観客からは拍手が沸き起こった。

三吉氏との思い出話になると、TOSHI-LOWは「俺、何回かツカサにつまんねーっすって言われたことがある。それを言われた時期って自分でもちょっと迷ってた時期で、すごくショックだった」と吐露。しかし、続けて「だからすごく信頼してる」と加えた。これに対し、三吉氏は「本当につまんなくなった時期があって直接言える関係であれば、それは絶対言った方が良いし、俺がずっと撮っていきたいとバンドじゃないと言わないといけないと思った」と打ち明け、「大事なバンドなんです」と双方の厚い信頼関係をうかがわせた。終盤では"バスタブ"によって、登壇者らも深酔い気味。スタッフの制止が入るほどの盛り上がりとなり、トークは幕を閉じた。

映画の感想を尋ねられた三吉氏は「僕が見ても驚きも違和感もない映画だった」と率直に述べ、「僕が一緒に過ごしてきた時間を切り取ったような映画」と表現。「一緒に旅に回って見えたものが映っている映画だった」と語る。

映画『ブラフマン』は、今年20周年を迎えるBRAHMANの姿を、タワーレコードの「NO MUSIC,NO LIFE.」などで知られる箭内氏が1台のカメラで追い続けた作品。ヨーロッパやアジアでもツアーを行うなど日本以外でも広く音楽活動を行う一方、2011年の東日本大震災以降は被災地の復興支援の活動を続けている彼らの"人間"としての素顔を、家族や、古い友人の言葉も織り交ぜながら描く。なお、11月4日には岩手・フォーラム盛岡でもTOSHI-LOWのトークショーが予定されている。

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