女優の藤原令子(21)、俳優の本郷奏多(24)らが13日、都内で行われた映画『シネマの天使』(10月31日広島先行公開/11月7日全国公開)の完成披露試写会に出席し、舞台あいさつを行った。

映画『シネマの天使』で主演を務めた女優・藤原令子

本作が初主演映画となる藤原。最近では今年7月期に放送されたドラマ『デスノート』(日本テレビ系)で、夜神月の妹・粧裕役を演じたことでも話題になった。先月11日公開の映画『内村さまぁ~ず THE MOVIE エンジェル』のヒロインに抜てきされるなど、女優として着実にステップアップしている。

初主演作の舞台となったのは、1892年に開館、2014年8月に閉館した広島・福山の映画館「シネフク大黒座」。取り壊しが決まった劇場の雄姿を残したいという劇場関係者の思いが実り、閉館から取り壊しまでの約半月で撮影が行われた。藤原はそこで働く新入社員・明日香を演じ、本郷演じるバーテンダー・アキラら、さまざまな登場人物の思いが交錯する中で物語は閉館の日を迎える。

地元住民や関係者をはじめ多くの人々の思いが詰まった主演作となったが、「主演の心の準備ができていなかった」と語る通り、藤原にとっては"満を持して"というわけではなかった。撮影スケジュールの関係もあり、突然舞い込んできた出演オファーからの撮影は「ドタバタ」状態。それでも、「ただただ一生懸命に」と真摯に臨み、「等身大の21歳の女の子の役。同じような悩みを当時抱えていたので映画を通して私も変わることができたかなと思います」と役柄と自身を重ね合わせて挑んだ。

一方の本郷は、そんな藤原を「最近すごくご活躍されて」と評価し、「これからスターダムを駆け上がっていく人の初主演を一緒にやらせてもらったのは光栄です」とコメント。さらに、「この映画の主役は大黒座」とした上で、「実際に歴史のあるものを使っているからこそメッセージ性がある。実際に足を運ばれていた方々の思いが乗っている作品です」と本作をアピールした。

藤原は岡山県倉敷市出身の21歳。高校入学を機に上京した。主役の決め手となったのは、藤原が持つ「透明感」と「物語の舞台に近い倉敷市出身」だったこと。スタッフいわく、撮影現場では持ち前の明るさと粘り強さで初主演を務め上げたという。舞台あいさつに出席した時川英之監督は藤原の話を聞き、「すごくドタバタの撮影だったね」と約1年前の撮影を懐かしんでいた。

この日は、同作に出演したミッキー・カーチス、阿藤快も出席。登壇者全員で広島名物のもみじ饅頭を実食し、大ヒットを祈願した。

左から時川英之監督、ミッキー・カーチス、藤原令子、本郷奏多、阿藤快

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