コント日本一を決める「キングオブコント2015」の決勝戦が11日、東京・赤坂のTBSで行われ、結成4年目のお笑いコンビ・コロコロチキチキペッパーズが優勝。熱戦直後の会見で、喜びを語った。
高音ボイスで放つ「やっべぇぞ!」のフレーズで話題のコロコロチキチキペッパーズ(よしもとクリエイティブエージェンシー所属)は、京都府南山城村出身のナダル(30)と大阪府和泉市出身の西野創人(24)のコンビ。ともに吉本の養成所・NSCの33期生で、2012年にコンビを結成した。同大会には2012年より4年連続で出場、今年初めて決勝に進出し、史上最速となる結成4年目で優勝。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)や『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などで注目されつつあった2人が栄冠をつかんだ。
優勝会見で西野は「びっくりしすぎて、まだまったく実感がないです」と心境を語り、優勝決定時に涙を見せたナダルは「いろんなお世話になった人…いろんなことがよぎって、素直にうれしいです」と再び涙を浮かべてコメント。2人で「キングとったどー!」「おれらが8代目キングや、どや!」と喜びを爆発させた。また、1回戦と準決勝で音響ハプニングがあり、それを乗り越えての優勝に、「なんかありそうな予感はしていた」と話した。
決勝での審査について、西野は「松本さんが1本目で95点をつけてくれて、『おもしろい』って言ってもらえたのが信じられない。2本目では、設楽さんが95点という高得点をすぐにつけてくれて夢のよう」と興奮気味に話し、ナダルも「一緒! 即決で高くつけてくれたので印象に残っています」と同調。ただ、本番中の心境は正反対だったようで、「楽しさしかなかった」という西野に対し、ナダルは「緊張がすごくて楽しくなかった」と明かし、「2本目のネタも途中でかんで迷惑かけた」と反省しきりだった。
ナダルは、特徴的な高音ボイスについて、「中学の時は先輩に呼び出されて、『音楽の時間に全力で歌うな。響き渡るから』と言われ、高校ではサッカー部の先輩に『むかつく笑い声やめろ』って」と苦しんだ過去を告白。「悲しい過去はあったんですけど、笑いではね返した。今となっては感謝ですね」と語った。
また、西野が「結成して1週間後くらいで辞めたいって言われて」と結成直後の解散危機を告白すると、ナダルは「先輩に『お前みたいなやつ絶対売れへん』って言われて、西野の足を引っ張りたくないと思った」と当時の心境を明かし、「西野が全力で止めてくれて、ほんまうれしくて、ほんまに辞めずによかった。西野には感謝しています」と感涙。西野も「『キングオブコントの1回戦通ったら続けてくれ』ってお願いして、3カ月後の1回戦で受かったんです。その時の喜びは忘れてないです。ナダルさんを引き留められたっていうのと、初めて賞レースに受かったっていう」と感慨深げな表情を見せた。
お笑いの道に進んだきっかけを聞かれると、西野は「家が貧乏だったので『大学行かされへん』て言われて、お笑いやってみようかなと」と説明。近畿大学農学部水産学科出身で、神戸の漬物店に就職したナダルは、「このままでいいんか」と思い、消防士を目指すも2年連続で落ちるなど経て、「お前はおもしろいからお笑いやった方がいい」という友人の言葉をきっかけに決意したという。両親からは「そんな風に育てた覚えはない」と猛反対されたそうだが、「最近は頑張れよって」と感謝。賞金を使って地元の村でライブを開催したいと言い、「いろんな人にお世話になったので、お笑いで恩返しができたら」と話した。
先月の月収は西野が「6万」、ナダルが「16万」。格差を指摘されると、ナダルは「僕の半分をあげている」と明かした。そして、コンビニでバイトしていたナダルは「8月頭に辞めました」と報告。西野はキングオブコントの決勝が決まるまでバイトしていたと言い、「『やっべぇぞ!』はカラオケ店員でバイトしている時に生まれたフレーズ。ギャル男の方が『メロンソーダ、やっべぇ!』って言っていて、それをナダルさんに言わせてみたらおもしろくて」と「やっべぇぞ!」誕生秘話も明かした。
今年で8回目となった「キングオブコント」。決勝戦には、2,455組のエントリーの中から、予選を勝ち抜いた10組が出場し、前回までのセミファイナリストたちによる審査から、ダウンタウンの松本人志、さまぁ~ず、バナナマンの5人による審査へと変更して行われた。ひとりあたり持ち点100点、計500点満点で採点し、上位5組がファーストステージからファイナルステージに進出し、2ネタ目を披露。合計得点の最も高かったコロコロチキチキペッパーズが、キングの栄冠と優勝賞金1,000万円を獲得した。
決勝戦の得点、結果はhttp://news.mynavi.jp/news/2015/10/11/193/。