脚本家の北川悦吏子氏、女優の知英、松風理咲らが7日、東京・ネスカフェ原宿で行われたプロジェクト発表会「ミュージック&シネマブレイク in ネスレシアター」に出席した。

脚本家の北川悦吏子氏

『あすなろ白書』(1993年・フジテレビ系)や『ロングバケーション』(1996年・フジテレビ系)など数多くのヒット作を生み出してきた北川氏。今回手がけたのはネスレ日本のコンセプトシネマ『そちらの空は、どんな空ですか?』の脚本で、日本と香港を舞台に遠く離れた2人のヒロインが空を通じて心を通わせる物語を描いた。

この作品のヒロインに起用された知英と松風。知英は初主演映画、松風は初出演映画となったが、予告映像を見た北川氏は「2人とも映画の世界の人になっていて、期待ができるなと思いました」と称賛。「こんな難しいドラマに出てくださったお2人に本当に感謝しています」と正直な思いを伝えた。

本作は北川氏にとって「野心作」。"ささやかな日常"を追求し、「大きな出来事がないところで実はみんな生きているのでは」という発想のもと、「小さい話だからこそ人の胸に届くような物語を作りたい」という結論に至った。感情がむき出しになるような描写は排除し、第1話には「ささやかなクライマックス」を用意。北川氏いわく、「ドラマでは『これ何?』と言われて許されない」ようなシーンだという。

そしてもう1つ、「野心作」の入口となったのが"枠"。本作は1話8分の全3話で構成されるショートムービーで、その"枠"が「普段連ドラや映画を書いたりする中で、8分というのはすごく短い時間。だからこそやれることがあるんじゃないか」と北川氏の創作意欲に火をつけた。

北川氏が初めて映画を手掛けた2009年の『ハルフウェイ』にキットカットがかかわっていたことから、"恩返し"という思いも込められているという本作。「自分としては野心作です。『こういうのが好きでしょ?』みたいな感じでは書いてなくて、こういう枠だからこそ挑戦させていただいた」という渾身の一作に仕上がった。

本作は第1話が10月下旬、第2話が11月中旬、第3話が12月上旬にそれぞれ「ネスレシアター on YouTube」で公開される予定。