大学教育は、学生の"成長実感"につながっているのか

調査を担当した、ベネッセ教育総合研究所 高等教育研究室 研究員の松本留奈氏が今回の結果を発表した。

ベネッセ教育総合研究所 高等教育研究室 研究員の松本留奈氏

大学時代全体を通しての成長を聞いたところ、実感したと回答した割合は、23~34歳で、「とても実感した」(19.6%)、「まあ実感した」(57.9%)の合計77.5%となった。一方、40~55歳では、「とても実感した」(19.6%)、「まあ実感した」(57.9%)を合わせた72.5%が「実感した」となり、23~34歳が5.0pt上回った。これを受け、松本氏は「大学改革前後で、多少成長実感が高まっていることがわかります」と解説した。

「大学時代全体を通しての成長」

"主体的な学び"が、成長実感を促す?

大学教育を通した学びの機会を示す6項目に関して、「よくあった」「たまにあった」を合わせて「あった」と回答した割合を世代間で比較した。結果、最多項目となったのは「少人数で学ぶ」。40~55歳は75.1%、23~34歳は85.7%となり、10.6ptの差があった。「研究テーマの選択において、自主性が尊重される」では、40~55歳は、75.1%だったのに対し、23~34歳は83.4%で8.3ptアップ。「教員と学生とで双方向のやりとりがある」では、40~55歳は75.1%、23~34歳で8.2ptのびていた。

「大学教育を通した学びの機会(頻度)」

大学時代の主体的な学びが「多い群」と「少ない群」に分け、大学時代全体を通しての成長を実感した(「とても実感した」「まあ実感した」の合計)割合で比較した。卒業生全体において、主体的な学びが「多い群」の成長実感の割合は93.2%だったのに対し、「少ない群」は73.4%で19.8pt差となった。世代別にみると、23~34歳は「多い群」が93.0%に対し、「少ない群」が75.7%と17.3pt差に。一方、40~55歳は「多い群」が93.7%、「少ない群」が70.7%と23.0ptの差をつけた。

「主体的学びの機会別 大学時代全体を通しての成長」