日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会および日本書店商業組合連合会はこのほど、財務省が出した消費税率10%引き上げ時の負担緩和策に反対し、出版物への軽減税率適用を求める緊急声明を発表した。

財務省案は「不備の多い制度」

財務省は先ごろ、消費税率10%時の負担緩和策として、飲食料品(酒類を除く)の税率2%分を還付する案を発表した。4団体はこれに対し、「財務省案は国民に重い負担を強いる不備の多い制度であり、欧州などで広く導入されている軽減税率とはまったく異なる仕組み」であると指摘。問題点として、小売店の負担やマイナンバーカードの利用による個人情報流出の危険性などを挙げている。

また、負担緩和の対象から出版物が除外されており、到底容認できるものではないと批判した上で、「活字文化は『心の糧』であり、健全な民主社会を構成するための知的インフラとして必要不可欠」と主張。「根本的な不備のある制度導入のためにいたずらに時間を浪費するのではなく、諸外国で運用され機能している本来の軽減税率の制度設計に速やかに着手するべき」とし、出版物への軽減税率適用を求めている。