“システムエンジニア”というと、理系の領域というイメージがあるが、実際は文系出身のエンジニアも数多く存在しているのだという。インターネットサービスプロバイダーの「@nifty」などインターネット関連サービス事業を行うニフティも、積極的に文系をエンジニアとして採用・配属している会社のひとつだ。文系出身エンジニアについて、WEBサービス事業部 事業部長の後藤信彦氏にお話を伺った。

WEBサービス事業部 事業部長の後藤信彦氏

文系エンジニアと理系エンジニアに違いはあるのか

――文系出身の方と理系出身の方に、何か違いはみられますか

入社後のトレーニングや適性、本人の熱意によっても異なるかもしれませんが、大差は無いと思います。

――新入社員の多くをエンジニアとして配属しているのでしょうか。開発部門における文系出身者の比率というのは

WEBサービス事業部では、エンジニアの配属が多い傾向にあります。文系出身者は、当事業部の開発部門の20%弱を占めています。ちなみに、開発部長も文系出身者なんですよ。ただ、採用段階で区別は行っていません。履歴書に学部を書いてもらうだけです。

――それは総合職として採用した後、エンジニアに配属しているということでしょうか

基本的に総合職として採用されています。当社では、入社後9カ月間研修を行います。最初に社会人としての基礎研修と技術研修を受講し、次にOJTで3部門を回ってもらいます。最後に、コールセンターで、お客様対応を経験して本配属となります。研修を経て、採用時にサービス企画を希望していた人がエンジニアを希望するなど、志望職種が変わる人もいますね。

――最終的にエンジニア志望の方が多くなるのでしょうか

WEBサービス事業部では、多いです。また最近は、意図的に開発職にもしています。

――はじめに開発を経験しておいたほうが良いのでしょうか

そうですね。将来的にサービス企画を行うにしても、最初にエンジニアリングの素養を身につけておいた方が、力が伸びると考えています。

研修後、実際にアプリをリリースする!?

――文理別で、何か特別な取り組みを実施していますか

文理関係なく、本配属後は実践投入です。昨年は、アプリを0から企画・開発し、3つリリースしました。制作プロセスの中で、企画の考え方やスケジュールの立て方、開発によって生じる問題、納期を守った作業の進行などを吸収できると思います。

既存のWEBサービスのアプリ化をしてもらうこともあります。この場合は、実際にサービスを運用する先輩社員とのコミュニケーションの取り方を学んでもらいます。このほか、エンジニアの先輩社員による勉強会も定期的に実施していますよ。

――学生時代からプログラマーとして秀でる人を採用したい会社もあると思いますが、素質のある人を育てていく傾向にあるのでしょうか

その場合が多いです。そもそも最近の新入社員は、スマートフォンが当たり前の世代。アプリへの理解も高く、サービス開発への意欲も高いので、素質のある人を育てていくことが大切だと思っています。