経済協力開発機構(以下、OECD)は16日、最新の中間経済見通しを発表し、2015年と2016年の世界の実質国内総生産(GDP)の成長率予測を下方修正した。

日本の成長率も下方修正

世界のGDP成長率については、2015年は前年比3.0%増、2016年は同3.6%増と予測。前回(6月)は、2015年が同3.1%増、2016年が同3.8%増と予想していた。

先進国では経済回復が進んでいるものの、世界貿易の停滞や金融市場の状況悪化が原因で多くの主要新興経済では成長見通しに陰りがみられるという。短期的な経済見通しを困難にさせている主な要因は中国で、成長はかろうじて維持しているが、いくつかの指標では経済活動のペースが鈍化している様子もうかがえるとしている。

日本のGDP成長率についても、2015年は同0.7%増から同0.6%増に、2016年は同1.4%増から同1.2%増とし、ともに下方修正した。経済成長は改善の道を辿ってはいるが、逼迫した労働市場が原因で賃金上昇には至っていないと分析している。

OECDは「先進国経済は、景気回復が軌道にのることを確実にするために緩和的な金融財政政策を継続させるべき」と主張。またキャサリン・マンOECDチーフ・エコノミストは「中期的に見て、投資を活性化させ潜在成長の鈍化を逆転させるためには、先進国と新興国には同様に、野心的な構造政策が求められる」と述べている。