『<40男>はなぜ嫌われるか』(田中俊之 著/税込930円)

イースト・プレスはこのほど、『<40男>はなぜ嫌われるか』(田中俊之 著/税込930円)を発売した。

同書では、2015年時点で30代後半から40代前半までの男性を「40男(よんじゅうおとこ)」と呼んでいる。「『アラフォー』などと生易しい呼び方は採用しない」という。

「僕ら40男の内面に目を向ければ、男は家庭を顧みずに仕事だけをしていればいいという『昭和的男らしさ』と、ワークとライフのバランスに気を使い、家事や育児も頑張ろうとする『平成的男らしさ』の狭間に生きている。『働いてさえいればいい』と開き直ることは難しいけれど、若い世代のようにさらりと家事・育児をこなせるわけではない」(同書より抜粋)

内容は、「僕らは何を着ればいいのか」「友だちはどこにいった」「なぜ若い女の子が好きなのか」「男女の友情--若き日のあの問い、いま僕らは答えを出そう」「40男の歪んだ世界」「40男は夢をつかめるのか」「40男よ、そろそろ政治を語れ」「どうしてこんなことになってしまったのか」「これからの40年をどう生きるか」。

読み進めていくと、以下のような厳しい現実も突きつけられる。

・「40男がまず確認するべきなのは、他人に不快感を与えるような外見をしていないかどうかだ」

・「好きこのんで40男と恋愛する若い女の子など存在しない」

・「昔も今も、中高年の男は、若い女の子が自分を受け入れてくれれば、人生が一発逆転できると考えている。あまりに短絡的な思考に言葉を失う」

・「ほとんどすべての40男の夢は実現しなかった」

こうした現実を受け入れた上でどうするべきか。40男に寄り添うような(著者も40男)、40男を応援してくれるような解説がなされている。

著者の田中俊之さんは、社会学、男性学、キャリア教育論を主な研究分野とする武蔵大学社会学部助教。男性学の視点から男性の生き方の見直しをすすめる論客として、メディアでも活躍する。著作に『男性学の新展開』『男がつらいよ』がある。