ユニフォームを着て機内販売

国内線の乗務員を1年半ほど務めたあと、国際線に移った菅野さん。当時からとくに気に力を入れていた仕事が機内販売だった。

――機内販売のどんなところが楽しかったのですか?

機内では、乗務員が販売員としてお客様からのご注文を受けたり、商品をラッピングしてお渡ししたりします。私が入社したばかりの頃は、国内線では8品目くらいしか取り扱っていませんでしたが、それでもお客様に商品のことを質問されると、「待ってました」と言わんばかりに商品説明をしていましたね。機内販売の商品を使っている人を見かけると、「買ってくださったんですか?」と声をおかけして、使い心地を勝手にリサーチしていたんです。

――販売のプロですね

ものを売るのに目覚めてしまったんでしょうか(笑)。当時は会社にサンプル品が置いてあって、自由に使うことができましたから、「このお化粧品はここがいいですよ」などと、ショップ店員さんのように、自分で使った感想を交えて商品説明をしていました。2002年の日韓共催FIFAワールドカップのときは、オリジナルグッズの機内販売があったので、私もユニフォームを着たりしながら販売しました。

客室乗務員から本社に異動

菅野さんの機内販売にかける情熱が買われたのか、3年前からは機内販売グループに異動し、商品企画や機内販売誌『JAL SHOP』の制作の仕事をしている。こういった異動の形も存在するのだという。

――商品のセレクトや販売企画をしているのが、菅野さんのような客室乗務員というのが意外でした

そうですね、私自身、機内でお客さまとお話ししながら販売をするのは大好きでしたが、まさか自分が商品企画を担当するとは思っていませんでした(笑)。でも、乗務員は「こんな商品ないの?」ですとか、「この前機内販売で買ったお土産が会社で好評だった」など、お客さまの生の声に触れる機会も多いので、それを反映できる商品企画の仕事にはうってつけかもしれません。

――異動してびっくりしたことなどはありますか?

実は、これまでは衣替えをしたことがなかったんです。どんな季節でも、寒い国に行くときはコートが必須だったり、逆に暑い国に行く時には夏の服を持っていく必要があったりしたので。日本って四季があるんだな、と改めて感じましたね(笑)。

――今はフライトはしていないんですか?

日本航空では、乗務資格を維持するために、半年に1回はフライトすることになっています。そのときに、私が選んだ商品を購入してくださるお客様に出会うと、本当にうれしいですよ。お客様のお話から、商品企画のアイディアをいただくことも多いです。