映画『キック・アス』(2010年)のマシュー・ヴォーン監督によるスパイアクション映画『キングスマン』の最新メイキング映像が公開された。

同作は、『英国王のスピーチ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した俳優コリン・ファースが、ブリティッシュ・スーツ姿で過激なノンストップアクションを繰り広げるスパイアクション映画。実体は世界最強のスパイ機関というロンドンの高級テーラー「キングスマン」に所属するエリートスパイのハリー(コリン・ファース)。組織の指揮者アーサー(マイケル・ケイン)の指令で、何者かに惨殺されたエージェントの代わりに新人をスカウトすることに。候補生に抜擢したのは街の若者エグジー(タロン・エガートン)。果たして、エグジーはキングスマンの一員となれるのか。そして、地球規模のテロを企てるIT富豪のヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)をとめることはできるか。

このたび公開されたのは、キングスマンの新人候補としてスカウトされたエグジーに最初の試練が課せられたシーンのメイキング映像。寮のベッドで就寝中、突然部屋が天井まで浸水。出口のない密室からどう脱出するのか……というものだ。なんと同シーンの撮影は、実際に組まれた部屋のセットを、水槽の中に吊るすという手法で撮影されたのだという。

マシュー・ヴォーン監督は「あのシーンの撮影はすべて嫌だった。とてもやりにくかった。何もかもうまく行かず、どうしようもなかった」とし、「初日に、機械が壊れて、4フィート<約1.2m>ほど下げるつもりだったのに、底の20フィート<約6m>まで下がってしまった。カメラがダメになった。2台使えなくなった。サウンドも、何もかもダメになった。でも、おかげで役者の演技がとても良いものになった。怖かったせいだ。“よし、全員、集中しなければ”となってね」とコメントした。

また、エグジー役を演じたタロン・エガートンは「僕はセットを歩いているだけで、大変なところは全部スタントマンがやってくれると思っていたんだ。でも実際は、まったく違った。僕の人生で一番つらい1週間半の仕事だったよ。水中にどれだけ長い時間いたのか、想像することもできないくらいだ。それに何より、怖かった。寮のセットを作って、いったいどれだけの量だったのか、大量の水の上に吊り下げたんだ」と振り返った。


映画『キングスマン』は9月11日より全国公開。

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