財務省は23日、2015年上半期(１～6月)の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆7,251億円の赤字となった。赤字は9期連続で、赤字額は前年同期比77.4%減と大幅に縮小。原油安により燃料の輸入額が減少したことなどが影響した。
対中国は過去最大の赤字
輸出額は同7.9%増の37兆8,080億円と、5期連続の増加。品目別では、自動車が同9.6%増、半導体等電子部品が同14.0%増、金属加工機械が同15.1%増、鉱物性燃料が同14.0%減などとなった。
輸入額は同7.4%減の39兆5,330億円と、11期ぶりの減少。品目別では、原粗油が同42.5%減、液化天然ガスが同19.6%減、石油製品が同30.5%減などとなった。
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2015年上半期の貿易統計(速報)(出典：財務省Webサイト) |
地域別に見ると、対米国は、輸出額が同16.6%増の7兆5,366億円、輸入額が同12.1%増の4兆1,277億円で、3兆4,088億円の黒字。黒字額は2期連続で増加した。輸出品目では、自動車が同19.8%増、原動機が同20.6%増など。輸入品目では、航空機類が同46.9%増、原動機が同21.0%などとなった。
対EUは、輸出額が同5.1%増の3兆8,894億円、輸入額が同0.7%減の4兆442億円で、1,548億円の赤字。赤字は6期連続となる。輸出品目では、自動車が同9.8%増、船舶が同144.8%増など。輸入品目では、医薬品が同14.3%増、航空機類が同41.1%減などとなった。
対アジアは、輸出額が同7.6%増の20兆2,287億円、輸入額が同1.0%増の19兆913億円で、1兆1,374億円の黒字。黒字額は2期連続で増加した。輸出品目では、半導体等電子部品が同16.1%増、船舶が同133.3%増など。輸入品目では、半導体等電子部品が同9.3%増、通信機が同8.9%増などとなった。
対中国は、輸出額が同2.2%増の6兆4,731億円、輸入額が同1.9%増の9兆4,318億円で、2兆9,587億円の赤字。赤字額は過去最大となる。輸出品目では、自動車が同38.4%減、有機化合物が同8.2%減など。輸入品目では、通信機が同6.6%増、金属製品が同15.9%増などとなった。
併せて発表した2015年6月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、貿易収支は690億円の赤字となった。赤字は3カ月連続で、赤字額は前年同月比で91.7%縮小した。輸出額は同9.5%増の6兆5,057億円、輸入額は同2.9%減の6兆5,748億円だった。
