NTT以来の大型上場

6月30日、日本郵政グループ3社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵政)が株式上場を本申請しました。

日本郵政グループの上場は1987年のNTT以来の大型上場となり、国内外から高い関心を集めています。

How to 上場

日本郵政グループは、民営化された後も国が株式の100%を保有しており、実質的な国有企業でしたが、株式上場することで、正真正銘の民間企業となります。

では、どのように上場時の株価が決まるのでしょうか?

企業が上場するときには、まず主幹事を決めます。主幹事とは、上場のための準備や公募価格(株式の売り出し価格)の決定など会社の上場をサポートする証券会社のリーダーのことです。

日本郵政グループの場合は、国内証券会社と外資系証券会社の計11社もの主幹事が選ばれています。一般的な株式上場の場合、主幹事は1~2社程度なので、いかに郵政上場が大きなイベントかが分かります。

この主幹事と呼ばれる証券会社が、機関投資家と呼ばれるプロの投資家にインタビューをしたり、個人投資家にいくらなら買いたいかなどを提示してもらうことで、株式市場デビューの最初の値段、公募価格が決まります。

公募価格は、企業に対する期待度の表れでもあります。まずは、いくらになるのか要注目です。

公募価格を出発点として、その後は株式市場で日々売買が行われ、株価が変動していきます。

株価は、短期的には国内外のニュースなどで変動することがありますが、中長期的には利益成長を反映して推移します。

今後の日本郵政グループ各社がどのような成長戦略を描いていくのかが株価動向を占うポイントになります。

日本株はどうなる?

日本郵政グループ上場と比較されるNTTの上場時の株価の動きを振り返ってみましょう。NTT株の公募価格は1株119.7万円でしたが、あまりの人気で初値(最初に実際についた株価)は160万円でした。その後も日経平均株価と同じように上昇を続け、初値から約2ヶ月で312万円と2倍近くになりました。

日本郵政グループの上場によって投資を始める人が増えれば、株式市場も活性化する可能性があります。

今回の上場が日本株式市場を盛り上げる材料になるかもしれません。

●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。