占いが好きな人であれば、「ザッパラス」という社名でピンとくるはず。同社は、携帯コンテンツ黎明期から占いを中心としたデジタルコンテンツを提供、市場で常にトップを走り続けている企業だ。

さまざまな占術家とコラボレートしたコンテンツを生み出し続けているザッパラス

また、占い以外の分野でも、30~40代のシングル女性に向けて、農業体験や殺陣体験、靴作り体験など、さまざまな"はじめて体験"を販売するECサイト「ソロモーノ」を展開。コンテンツ作りにおいて、自由な発想を大事にしていると、業界内での評価も高い。そんな同社のオフィスはどのようになっているのか、おじゃました。

社内には占いの専用書架がある…!

モノづくりの会社という意識

近年では、チャット感覚で占いができる「チャプリ」がライト感覚のユーザーに支持を得ている同社。新たなアイデアを生み出ために、どのような環境づくりをしているのだろうか。PR担当の木村美土里さんと塚越景子さんは次のように語る。

木村さん「私達は常に『モノづくりの会社である』という意識を持って業務に取り組んでいます。モノをつくるには、まずコンセプトから定めますよね。コンセプトをすり合わせるには、社員同士が心を通い合わせる必要があります。ですから、オフィスはオープンであることを意識した作りになっているんです」

会議室は基本的に全面ガラス張り。オープンマインドというテーマを表している

社員が2日でオフィスを作った?

執務エリアに入ってみると、木のぬくもりが感じられる。木を使ったオフィスはよくあるが、もっとすごいのはこの殆どが「社員自らの手」によって作られているということ。

社内には「公園」をテーマに作られたウッドスタイルのフリースペース

なんと社員個々が使用するデスクをはじめ、ミーティングや休憩で自由に使えるフリースペースの家具、はては「神棚の飾り台」に至るまでが、DIYで作られているのだ!

社員が実際に使っているデスクも自作。足元には棚も備え付けられている。日曜大工好きのお父さん真っ青のクオリティだ。

神棚の飾り台もお手製

塚越さん「2年前に移転した際、新しい社屋は社員が自ら作ろうと話が持ち上がりました。モノづくりの会社ですから、オフィスも可能な限り自分たちで作りたいということになったんです。もっともすべてのものを作るとまではいかなかったのですが、可能なものは極力自分たちで作っています」

オフィス制作風景。社員がなんと2日で作り上げてしまったというから驚きだ

「働きやすさ」をとことん重視する

社員自らが作り上げたアイテムが、社内のあちこちに置いてある同社。話を聞くと、「社員が働きやすい会社を、社員全員で作る」という社風が感じられる。組織レイヤーがあまりなく、上下の関係でも部署間の横の関係でも、風通しの良さがあるのは、この風土ゆえだ。

さらに注目すべきは、「Mother' s Working Room」という育児室。急な学級閉鎖などの場合に、臨時に子どもを連れてくるパパ・ママ社員のための設備である。

「Mother' s Working Room」

塚越さんによると、同社は家庭を持つ社員も、子育て中の社員が育児と仕事を両立できるよう、社員全員でフォローしあっているという。働く親を支える「Mother's Working Room」もその1つ。執務エリアのすぐそばにあるので、子供の面倒を見ながら仕事をすることができるようになっている。子どもと顔見知りの社員が、空いた時間に遊んであげたりもするそう。

結婚して子供が出来ても安心して働ける環境を完備

そして働きやすさは、オフィスづくりだけでなく、社内で催されるイベントなどにも見られる。

木村さん「社内ではイベントも積極的に行っています。七夕やハロウィンでは、それぞれ浴衣を着て出勤したり、コスプレやホラーメイクをして出勤してもいいんです。もちろん営業など業務に差し支えがある場合は難しいですが、けっこう思い思いの格好で出勤してきて、盛り上がっています。またファミリーDAYというイベントがあり、会社に家族を連れてきて社内見学をしていただいています。昨年は12月に行ったのでクリスマスの雰囲気で楽しむことができました」

会社のロビー部分は全面が黒板になっており、実際に書き込みもできる。昨年は社内デザイナーとファミリーDAYに来た子供とのコラボレーション作品となった

オープンマインドというポリシー

このほかにも社員のコミュニケーションツールとして、有志持ち回りによる社内報の作成など、随所にクリエイティブマインドをうながす工夫が見られた。

塚越さん「入社して間もない社員が驚くのは、机が手作りであることはもちろん、社員同士の距離感が近しいことです。やはりママ社員が多い職場ですので、誰かの子どもが来ていたら一緒に過ごしてあげたりするなど、日ごろのコミュニケーションがうまくとれているんですね。社員同士が、自然に家族ぐるみの付き合いになっているということを感じます」

働く子育て社員も大切にするザッパラス。こうした職場のあり方によって、さまざまな人が集まり、新たな視点でサービスを生み出す力になっている。同社は、自社への愛着とモノづくりの心、そして働きやすさを兼ね備えたオフィスであった。