第67回カンヌ国際映画祭パルム・ドール大賞を受賞した、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作『雪の轍』が6月27日に公開される。本作の魅力の一つはラストシーンで”男の生き様”が感じられるところ。同作のほか”男の生き様”が感じられる6月公開の映画を紹介する。

『雪の轍』本ビジュアル

『雪の轍』は、カッパドキアの洞窟ホテルを舞台に、裕福なホテルのオーナーとして暮らす元舞台俳優のアイドゥンと、若く美しい妻、妹との愛憎、思わぬ形で恨みを買ってしまったある一家などとの不和を描写。カッパドキアに冬が訪れるとともに、取り残された彼らの鬱屈な内面が静かに明らかになっていくヒューマンドラマだ。

ストレートな言葉で感情をぶつけあう登場人物たちは、どこか滑稽さも漂う。そして、プライドの高さから、妻の意見を受け入れず、いつも自分本位に行動してきたアイドゥンが、ある出来事をきっかけに自身の人生を振り返り、答えを見つけ出すラストは”男の生き様”を感じさせる。

このほか、6月は”男の生き様”を感じられる海外映画が続々公開。行き詰まった精神科医の男が幸せを求めて世界を旅する『しあわせはどこにある』(13日公開)、史上初のキング牧師の映画化に挑戦した『グローリー -明日への行進-』(19日公開)、資源が底を尽き荒廃した世界で自由を求め戦う元警察官・マックスが主人公の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(20日公開)、19世紀の画家J・M・W・ターナーの人生を描いた『ターナー、光に愛を求めて』(20日公開)がすでに公開されている。

さらに、『雪の轍』と同日、妻子を殺された元兵士の復讐劇を描いた『悪党に粛清を』(27日公開)が公開に。それぞれの置かれた状況は異なれど、苦境に立たされた男たちの、生の瞬間を感じることができる作品が多く並んでいる。

『雪の轍』場面写真

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