電通とハースト婦人画報社は6月24日、世帯資産が1億円以上(日本全人口の約6%)または世帯年収2,000万円以上(日本全人口の約1%)を富裕層世帯と定義づけ、全国の富裕層世帯の女性309人を対象に実施した「意識・消費行動調査」の結果を発表した。

調査は2015年2月25日~27日、両社が共同で行った。また、比較する一般女性に関するデータは電通が独自に行っている「d-campX調査」のものを使用している。

富裕層女性の3割が月20万円以上を自由に支出

調査では、1カ月間で自由に支出する金額が一般女性の93.3%で5万円未満であるのに対し、富裕層女性の27.5%が20万円以上(上限なしと答えた16.8%を含む)を支出していることがわかった。なお、一般女性で20万円以上支出するのは0.3%。

資産運用に関心がある富裕層女性は61.5%(一般女性は25.5%)、実際に積極的に行っているのは35.0%(一般女性7.2%)だった。資産運用の内容としては、富裕層女性の65.4%が国内株式投資に積極的(一般女性6.3%)。

富裕層女性は美容・健康・教育投資に積極的で、日本文化が好き

また、富裕層女性は一般女性よりもスポーツを積極的に行っていることもわかった。健康に配慮し、スポーツクラブやヨガ・ピラティス、また比較的金額がかかるゴルフなどのスポーツにも積極的。富裕層女性は美容関連の支出にも積極的だった(一般女性は22.3%、富裕層は44.3%)。

さらに、富裕層女性は次世代への投資を積極的にしていきたいという志向があり、そのため子供の教育にも積極的だった。教育にもお金を惜しまず、私立に通わせたい(通いたい)、留学させたい(したい)といった意識が強い。「教育にはお金を惜しまない」と回答した一般女性が45.0%であるのに対し、富裕層は74.8%。

富裕層女性のうち、「海外文化が好き」は13.6%、「日本文化が好き」は54.0%という結果に。つつましやかさ、奥ゆかしさに共感を覚え、その影響として、海外文化よりも日本文化の方がより好き、という傾向が見られた。この他、富裕層女性の特徴として、中長期的利益を意識する人が約半数(50.5%)を占めることや、肉食系男子を好む傾向が強い(草食系の約3倍)ことがわかった。

日本の富裕層女性の5つのタイプ

調査結果を分析した結果、日本の富裕層女性は「しっとり・大和撫子タイプ」「全力投球・人生謳歌タイプ」「ふんわり・守られタイプ」「ミーハー・キラキラタイプ」「無自覚・隠れタイプ」の5つに分類できることが分かったという。それぞれの特徴は次のとおり。

■タイプ1: 「しっとり・大和撫子タイプ」

・5グループの中で、50歳以上の比率が最も高く、50.0%。
・年金受給者が多く、年収は56.5%が2,000万円未満だが、世帯純資産1億円以上が74.2%にのぼる。
・消費意欲や情報感度が低いが、幸せ度は高い。
・長期的利益を重視(54.9%))し、貯蓄型(将来に備えてお金をためている88.7%、安定志向72.6%)の「守る派」である。
・世帯の主な収入は年金受給が多い(21.6%)。

■タイプ2: 「全力投球・人生謳歌タイプ」

・5グループの中で、F2(35~49歳)比率が比較的高く、43.5%。
・年収2,000万円以上が72.7%、1億円以上が6.5%。
・世帯純資産1億円以上は59.6%。
・有職者が多く、何事にも積極的で、エコや省エネなど社会貢献への関心が高い。

■タイプ3: 「ふんわり・守られタイプ」

・5グループの中で、F2(35~49歳)比率が最も高く、60.6%。
・年収2,000万円以上が71.0%、1億円以上が5.5%。
・世帯純資産1億円以上は60.0%。
・主婦が多く、男性に守られたいと感じている。
・夫が管理職(26.1%)や医師(19.6%)であることが多い。

■タイプ4: 「ミーハー・キラキラタイプ」

・5グループの中で、F1(20~34歳)比率が最も高く、29.9%。
・年収2,000万円以上が80.5%、1億円以上が9.1%。
・世帯純資産1億円以上は53.3%。
・有職者が多く、ブランド・ステータスのあるものを好む。

■タイプ5: 「無自覚・隠れタイプ」

・5グループの中で、タイプ4に次いでF1(20~34歳)比率が高く、28.3%。
・5グループの中で、最も未婚者比率が高く、41.5%。
・年収2,000万円以上が69.8%で、1億円以上が5.7%。
・世帯純資産が親の資産であるため、純資産額を把握していない人が32.1%と最も多い。
・夫や親が経営者(23.4%)である比率が高い。

また、特徴としてタイプ2~4(全力投球・人生謳歌タイプ、ふんわり・守られタイプ、ミーハー・キラキラタイプ)においては、百貨店の外商を利用することが多く、また投資用不動産の保有傾向が高いことや、百貨店で年間100万円以上の買い物をする人の割合が他のタイプよりも高く、30%前後に及ぶことが明らかになった。

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