東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は6月15日、東京2020オフィシャルパートナー(旅客航空輸送サービスカテゴリー)の契約を日本航空(以下、JAL)ならびに全日本空輸(以下、ANA)と提携したことを発表した。東京2020スポンサーシップは一業種一社を原則としているが、同カテゴリーは国際オリンピック委員会(以下、IOC)との協議の上、特例として2社共存となった。

(左から)ANAの篠辺修代表取締役社長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長、JALの植木義晴代表取締役社長

東京2020スポンサーシッププログラムは4つの階層からなっており、最上位のものがIOCのオリンピックパートナープログラムで、その他の3つの階層は国内向けスポンサープログラム(東京2020ゴールドパートナー、東京2020オフィシャルパートナー、東京2020オフィシャルサポーター)となっている。

今回の2社共存は、銀行(みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループ)に次ぐ2事例目となる。契約期間は両社ともに6月15日~2020年12月31日となっており、呼称やマークなどを使用し、オリンピック・パラリンピックムーブメントの盛り上げや、日本代表選手団の支援、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に貢献していく。

調印式には、日本オリンピック委員会 青木剛副会長兼専務理事(左端)と、日本パラリンピック委員会 鳥原光憲会長(右端)も出席した

1964年の東京オリンピックの際、JALはアテネからの聖火輸送を、ANAは戦後初の国産旅客機YS-11にて聖火の国内輸送を担当。また、両社はこれまで、日本オリンピック委員会(以下、JOC)とオフィシャルパートナー契約を締結し、オリンピック日本代表選手団や多くのスポーツ支援を行ってきた。東京2020における具体的なサポート内容については、今後、時間をかけて決定していくという。

今回のスポンサー契約の調印にあたり、JALの植木義晴代表取締役社長は、「航空輸送の世界で日本らしいおもてなしの心で、サービス面で切磋琢磨(せっさたくま)してまいりました全日本空輸さまとともにこの大役に挑戦できることを大変光栄に思っております。前回の東京大会が今日に到る日本の成長を象徴したように、オールジャパンで創り上げる東京2020が、次の半世紀に向けた日本の新たな成長の原動力となるよう、精一杯努めてまいります」とコメントした。

また、ANAの篠辺修代表取締役社長も、「東京2020大会の基本ビジョン『全員が自己ベスト』『多様性と調和』『未来への継承』は、ANAグループの経営理念『世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します』に通じるものと考えております。 世界的なイベントに参画し、大会の成功に貢献して、後世につながるレガシーの創造のお手伝いができることを大変名誉なことと感じております」とコメントした。

JALの植木代表取締役社長「次の半世紀に向けた日本の新たな成長の原動力へ」

ANAの篠辺代表取締役社長「後世につながるレガシーの創造のお手伝いを」

今回の契約に関して、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は、エアラインは国際的にも重要な立場であり、1社だけでやりきれるものでもないという旨の伝えた上で、「大きな大儀の中で、両社の社長がご決断されたことにお礼を申し上げたい」と述べた。

両社長が調印書にサインした後、森会長も2枚の調印書にサインを記した

JAL・植木社長はまた、「日本を代表する航空会社2社がオフィシャルパートナーとして協力をさせていただくことは、まさしくオールジャパンの象徴ではないかと思っております」とコメントし、世界に誇れる史上最高の大会になるよう、努めていく想いを語った。両社は今後、日本を訪れる外国人へのおもてなしや選手団・大会関係者の移動、また、聖火輸送などをサポートしていく。