上野動物園はこのほど、絶滅危惧種であり、国の特別天然記念物である、日本に生息するライチョウの飼育繁殖に取り組む、と発表した。

「ライチョウ(夏羽)」 ※画像提供:公益財団法人東京動物園協会

ライチョウの飼育繁殖に取り組む

同園はこれまで、絶滅が危ぶまれているライチョウの保全に貢献するため、国内で最初に、近縁の亜種であるスバールバルライチョウを導入し、飼育繁殖に成功。また(公社)日本動物園水族館協会(日動水)を通じて、国内の動物園・博物館と協力し、その技術の研鑽と普及に努めてきた。

このほど環境省から、日動水、東京都(上野動物園)および富山市(富山市ファミリーパーク)が実施するライチョウ保護増殖事業について、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)に基づき、国が定める保護増殖事業計画に適合している旨の連絡を受けた。本格的に飼育下での日本に生息するライチョウの保護増殖に取り組むこととしたという。

同事業は、日動水の事業計画をもとに取組を実施。「ライチョウの飼育下繁殖技術を確立し、野生復帰させ得る資質を備えた本種の生息域外個体群を形成、維持するとともに、動物園等における普及啓発を推進する」ことを目標とし、「飼育下繁殖の実施および技術確立」「体制の構築」「普及啓発」を行う。事業計画の期間は、10年間(2015年5月29日~2025年5月28日)となる。