「今、芸能界で最も忙しい男」とも言われる加藤浩次。平日生放送の『スッキリ!!』(日本テレビ)に加え、日曜朝の『ガッチリマンデー!!』(TBS)、日曜夜の『この差って何ですか?』(TBS)、水曜深夜の『なら婚』(日本テレビ)、金曜深夜の『スーパーサッカー』(TBS)とこれらは全てMCであり、土曜夜には『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)にも出演。さらに、特番のMCとして起用されることも多い。

加藤浩次 撮影:大塚素久(SYASYA)

全曜日の番組に出演していて、朝も夜も、生活情報もスポーツも経済もOK。いつの間にか「いや、むしろ芸人の活動が少ないでしょ!」とツッコミを入れたくなるほどの万能司会者になっていた。

そんな加藤が本業の芸人としてプロデュースするコントライブ『イルネス製作所』が7月に行われる。これは昨年発売わずか1分足らずで前売り券を完売させ、公演も観客やマスコミからの絶賛を集めた『イルネス共和国』の第2弾。今やコントをすることすら珍しい加藤が企画構成から手がけることもあり、今作も業界内外から注目を集めている。

ただ、多忙な加藤に話を聞けるせっかくのチャンスだけに、コントライブのことだけを尋ねるのはもったいない。ここぞとばかりに、極楽とんぼ時代から、司会業と担当番組、俳優業まで、前・後編の2回にわたって尋ねていく。まず前編は、コントと"芸人・加藤浩次"に迫る。

コントライブは「全くお金にならない」

コントライブ『イルネス製作所』

これほど売れっ子の加藤がなぜ今コント、しかもライブなのか? 正直な話、会場キャパ約700人の3公演であり、後に発売されるDVDがバカ売れでもしない限り、儲かることはないだろう。忙しいはずの加藤を突き動かすものは何なのか。

「全くお金にならないですよ(笑)。こんなこといったらアレですけど、仕事じゃないというか、『楽しい』という意味では趣味に近い部分がありますね。だから『今後にどうつなげていこう』とかもなくて行き当たりばったり。今回も昨年2月の打ち上げで『次やろう』と決まっただけですから」

拍子抜けするようなあっさりとした返事だったが、後輩芸人やスタッフはこんなおおらかな人柄についていくのだろうか。「なぜライブなのか」という問いにも、答えは明確だった。

「いえいえ、コントをやらせてもらえる場所があるのなら、テレビでもぜひやりたいですよ。いくらでもやりたいですよ。でもオファーが一切ないですから! だって、視聴率取れなさそうじゃないですか(笑)」

昨年の公演では、メディア関係者から花が多数贈られるなど注目を集めていただけに、これは謙遜かもしれない。実際、業界人の評価はかなり高く、テレビでも実現するかもしれない。