前回の記事では、たばこを吸う人が少なくなっているにもかかわらず、いまだに「タバコミュニケーション」が存在することが明らかになりました。今回は"タバコミュニケーション"と仕事との関係を追跡調査! 前回と同じ読者500名にアンケートしました。

"タバコミュニケーション"は仕事に影響する!?

アンケートで「"タバコミュニケーションが仕事に影響を与えたことがありますか」と聞いたところ、さまざまなエピソードが挙げられました。読者が実際に経験した"タバコミュニケーション"の実態を紹介します。

●仲良くなれる
・「喫煙者同士は仕事以外の話で仲良くなれる」(32歳男性/電機/技術職)
・「他部署の人と仲良くなれる」(30歳女性/生保・損保/事務系専門職)
・「プライベートも仲いい」(35歳女性/医療・福祉/経営・コンサルタント系)

●情報交換
・「喫煙者に喫煙所での話を聞くと、他部署での事例などを聞けていい情報交換の場になっていると感じた」(36歳女性/ソフトウェア/技術職)
・「上司との話し合いで取引に役立つ情報が得られた」(28歳男性/運輸・倉庫/技術職)
・「喫煙室での会話や情報共有がもとに仕事が進んでいる」(30歳女性/学校・教育関連/クリエイティブ職)

●人事にも影響!?
・「喫煙室で会社の人事の話題や重要事項の話題が出てしまうので、喫煙者だけ会社の情報に妙に詳しいということがある」(32歳男性/小売店/事務系専門職)
・「人事異動の大半が喫煙室で決まっている」(33歳女性/運輸・倉庫/事務系専門職)

●仕事が円滑に進む
・「他の部署の方と顔を合わせる機会が多く、普段の仕事が円滑に遂行できる」(43歳男性/機械・精密機器/技術職)
・「異セクションの喫煙者とのコミュニケーションが円滑になった」(23歳女性/その他/事務系専門職)
・「気難しい上司と仲良くなれて仕事が円滑に進んだ」(26歳男性/農林・水産/技術職)

●喫煙所での話し合い
・「タバコ休憩中に話し合いが結構進んでいたりする」(29歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「休憩時間の喫煙スペースで打ち合わせが行われることがあり、非喫煙者の自分は情報を知るのが遅くなることがあった」(31歳男性/その他/事務系専門職)
・「簡単な打ち合わせはタバコ部屋でやってますね」(31歳男性/情報・IT/技術職)

どうやら喫煙所では雑談だけではなく、仕事にまつわる情報交換まで行われているようですね。これは喫煙者にとってうれしいメリットですが、非喫煙者からは「吸わないので、吸う人だけで社内人事情報が広がって腹が立ったことがある」(50歳以上男性/電機/技術職)という不満の声も……。

"タバコミュニケーション"が迷惑をかけているかも?

"タバコミュニケーション"は仕事にも大いに役立っているようですが、非喫煙者にとっては「迷惑な存在」でもあるようです。タバコミュニケーションに困っている読者の嘆きを紹介します。

●休憩しすぎでは?
・「喫煙者だけ休憩が多い」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「タバコ休憩が勝手につくられる」(31歳女性/その他/事務系専門職)
・「とにかく休憩が多い。30分に一度は休憩している人間がいるので仕事してるとは思えない」(44歳男性/情報・IT/技術職)

●戻ってこない……
・「喫煙する社員はタバコ休憩に行くとなかなか戻って来ず、確認したいことがある時などこちらとしては悪影響を受ける」(41歳女性/金融・証券/秘書・アシスタント)
・「席に戻ってこないため、その人の分の余計な仕事をすることになる」(50歳以上女性/建設・土木/技術職)
・「いつも"タバコミュニケーション"をするのは課長と主査。長時間離席しているので承認作業が進まないことも多く困りますね」(30歳女性/通信/事務系専門職)

喫煙所でも仕事の話をしているとはいえ、離席されると残された人たちが困ってしまうことも。「喫煙者だけ休憩できるのはずるい」という指摘も多数見受けられました。

"タバコミュニケーション"はなくなるのか

"タバコミュニケーション"は一長一短のようですが、健康や非喫煙者のことも考えると別のコミュニケーション手段があったほうがいいかもしれませんね。

そこで、「"タバコミュニケーション"を無くすことは可能だと思いますか」と尋ねたところ、結果は「はい」が50.2%、「いいえ」は49.8%と半々くらいの回答でした。

「はい」と答えた人は、タバコミュニケーションについて「無駄だと思う」(32歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)、「実害しかない」(28歳男性/医療・福祉/事務系専門職)と否定的な意見が多く、完全になくしてほしいのかと感じました。

しかし、「意思疎通がしっかり取れた」(30歳男性/建設・土木/技術職)、「仕事のことを話しているうちに、団結した」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)といった肯定的な人も見られます。

同じように、「いいえ」と答えた人のなかにも、「チームがまとまった」(30歳男性/建設・土木/営業職)、「仕事時間が削られる」(46歳女性/学校・教育関連/専門職)といった賛否両論の意見がありました。

"タバコミュニケーション"がなくならない理由は?

"タバコミュニケーション"に対して否定的な意見があってもなかなかなくならないようですね。読者に「何故なくすことが出来ないと思うのでしょうか」と質問すると、回答は次のとおりでした。

長年の習慣だから 36.1%
喫煙者が多いから 35.7%
不便を感じないから 10.4%
誰も何も言わないから 8.0%
他に替わる方法がないから 6.4%
その他 3.2%

いかに世の中の流れでたばこを吸う人が減ってきていても、職場ではたばこを吸う人の影響力は良くも悪くも大きいです。そして人の習慣というのはすぐには変わりません。つまり、"タバコミュニケーション"の存続はたばこを吸う人次第ということです。

ホッと一息つくために行く喫煙所だからこそ、リラックスしていろいろな話ができる。このような機会は大切かもしれませんが、そのために困っている人がいるのも事実。"タバコミュニケーション"にメリットを感じている人も、そのしわ寄せがきている非喫煙者たちのことを忘れてはいけませんね。

前編記事はこちら

非喫煙者も見逃せない!? -"タバコミュニケーション"って本当にあるの?(前編)