東京都武蔵野市を中心に、市と協働で活動する地域猫の会「むさしの地域猫の会」は、白血病キャリアの猫の里親を募集している。

黒猫3姉妹の「月子ちゃん」

むさしの地域猫の会とは

むさしの地域猫の会は2006年9月に発足。ボランティアと武蔵野市環境政策課との協働で、猫によるトラブルをなくし、人と猫が快適に共存できる街づくりを目標にしている。具体的な活動としては、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の助成、飼い主のいない猫のTNR(一時保護・不妊去勢手術・リターン)活動、里親募集、飼い猫の適正飼育の普及など。

緊急で一時預かりできる人を募集

里親を募集しているのは、白血病キャリアの黒猫3姉妹(1歳くらい)と、黒白ハチワレのオス1匹(5カ月くらい)。彼らを保護している施設が、4月いっぱいで閉鎖することが決まった。しかし5月以降、彼らを保護する場所が見つかっていない。そこで、緊急で一時預かりできる人を募集している。

猫白血病は猫特有の病気。ウイルスに感染すると、潜伏期間を経て4~5年で発症する可能性が高いといわれいる。そのため白血病キャリアの猫には、里親がなかなか見つからない。同会は、「ほかの猫より短命かもしれないが、だからこそよい環境でのびのび暮らしてほしい」と願っている。

なお、猫白血病は人間や他の動物には感染せず、猫だけに感染する病気。そのため、先住猫がいない人、または保護する部屋を分けるなど、隔離できる人を条件に挙げている。

募集猫の情報

黒猫のメス3姉妹は、子猫の時期に保護。人馴れができておらず、部屋の中で自由にしているが、家庭内ノラ状態だという。同会は「もっと時間をかけてあげられれば馴れてくれると思いますが、時間がかかると思います」とコメントしている。

カーテンの裏から2匹が「黒猫はミタ」

3姉妹は「時間をかけてあげられれれば慣れてくれると思います」(同会より)

黒白ハチワレは、生後4カ月のときに兄妹で保護し、妹猫には里親が見つかった。触られたり、抱っこされるのは嫌がるが、遊ぶことは大好きな猫。「時間をかけてあげられれば、そんなに時間がかからずに馴れると思います」とのこと。

黒白ハチワレの「大地君」

遊ぶのが大好き

生後4カ月のころに保護

ちょっと警戒……?

興味シンシン

条件等

同会では、里親の条件として、次のような条件を挙げている。「先住猫がいない人。または先住猫がいる場合は、部屋を分けるなど隔離できる人」「適切な医療を受けさせられる人」。

また、一時預かりの際の条件としては、猫たちに何かあったときに会と相談の上、適切な医療を受けさせることができる環境にある人。医療費は会が負担する。フードや猫砂など日々の経費については相談。

むさしの地域猫の会から

むさしの地域猫の会は、一時預かりを募集している猫たちについて、次のようにコメントしている。

「彼らは、猫が増えすぎて近所から邪魔にされていた場所で保護した仔猫でした。満足に食事ももらえず、人間には邪魔にされ、暑さや寒さはからだにつらく、交通事故や虐待の可能性もある……。そんな環境では長くは生きられないでしょう。

白血病キャリアでも、なるべくストレスなく暮らせれば4~5年は生きられると聞いています。ほかの猫よりも少し短いであろう猫生を、家族と一緒にしあわせに過ごしてほしいと思っています。まだまだ人馴れ修行中ですが、一緒にいるうちにきっと人を好きになってくれると信じています。時間をかけてゆっくりと見守っていただける家族を探しています。どうぞよろしくお願いします」。

里親希望者は、むさしの地域猫の会公式サイトまで連絡を。白血病キャリアの黒猫3姉妹ハチワレの大地君で詳細を案内している。