夫婦の寝室、同室で夫のいびきが煩いという妻からのご相談

マイナビニュース読者から、夫のいびきに関するお悩みが寄せられました。妻は夫のいびきがうるさく寝室の夫婦別室を希望していますが、夫は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考え、同室を継続しているそうです。そこで、化粧心理学者の平松隆円さんにお悩み解決について、解説していただきました。

夫のいびきがうるさすぎて夫が憎い!

結婚して3年です。 寝室は夫婦同室ですが、夫はいびきがうるさくて、私はなかなか寝られません。やんわりといびきがうるさい旨を伝えると、すごく不機嫌になって「俺が悪いの? 寝られないお前が悪いんだろ」という始末。夫は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考えているため、寝室の夫婦別室は認めてくれません。

説得して市販のいびき対策グッズを使ってもらいましたが、ダメでした。最近は、私の隣で轟音を出しながら寝続ける夫を見て、殺意を覚えるようになりました。ただゆっくり眠りたいだけなのに。「このブタのせいで寝られないなんて」とイライラを通り越して、夫の存在が憎たらしく思えてきました。

どうか、円満に夫婦別室にする方法、教えてください!

不十分な睡眠は様々な面に悪影響

インターネットを見ていると、夫婦のどちらかのいびきで悩んでいるケースは多いですよね。いびきは、およそ1割の人に習慣的にあり、加齢とともに増加するといわれています。寝られなくて殺意を覚えるくらい不満を抱えているのであれば、寝室は別々にすべきです。もちろん、夫婦一緒に寝てもよく睡眠がとれているなら、寝室が一緒でも問題はありません。しかし、もしそうでないのなら、睡眠環境を変えるべきです。

というのも、イギリス・サリー大学睡眠研究センターの研究によれば、不十分な睡眠は身体の疲れがとれないだけではなく、精神面や感情面においても悪影響をおよぼすとされています。結果的に、うつ病、心臓病、脳卒中や呼吸困難のリスクが高まるだけでなく、離婚や自殺につながるような行動も増えてしまうというのです。実際、質問者様も睡眠が不十分なことで、旦那様に殺意を覚えてしまっていますよね。この状態を維持することは、夫婦関係にマイナスとしかいいようがありません。

ところで、なぜ旦那様は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考えているのでしょうか。理由としては、スキンシップを大切にしたい、夫婦のコミュニケーションを大切にしたい……などが考えられます。ですが、寝室をともにするだけで、夫婦のコミュニケーションは維持できるとは限りませんよね。食事の時、就寝前の時間など、旦那様が満足できるくらいコミュニケーションができていれば、自然と夫婦別室を認めてくれるようになるかもしれません。

また、相談者様は結婚3年目とのこと。ある調査によれば、結婚1年目から5年目までの人はおよそ9割が一緒に寝ると答えたのに対し、6年目から10年目で8割、11年目以上になると6割という結果が明らかになっています。つまり、旦那様も今は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考えていても、次第と別室がいいと思うようになる可能性が高いです。おそらく、サリー大学睡眠研究センターの話を旦那様に持ちだしても、聞いてはもらえないでしょう。もうここは、お子様が生まれるという環境の変化をタイミングに夫婦別室を企てるか、とりあえず今は旦那様より早く就寝するようにするしかないかもしれません。すみません、相談の答えになっていないですよね。

ちなみに、いびきは眠時無呼吸症候群などの病気と関係していることもあり、一度病院で診てもらうのもいいでしょう。

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著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。
現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。