2012年10月よりスタートした『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』は、毎週金曜深夜24:30(土曜0:30)から、文化放送で好評放送中のラジオ番組である。特撮ヒーローを愛する人気声優・鈴村健一と神谷浩史がありったけの特撮愛をこめ、毎週これでもかとばかりに特撮関連のダイナミックなトークを繰り出すこの番組は、昔からの特撮ファンはもちろんのこと、つい最近特撮ファンになったばかりの澄み切った目をした若者たちをも楽しませる濃密内容となっている。
放送開始から2年がすぎた2014年12月、初の番組本が完成。その名も『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー大百科』という。大百科の名にふさわしく、放送開始から現在までの約2年間にわたる放送内容をふりかえる年表や、傑作投稿ネタコーナー再録、ゲストトーク再録といったラジオ本のテイストが盛り込まれ、番組のファンならぜひ手にとっておきたい一冊である。
さらには「栄光の東映特撮ヒーローヒストリー」と題して、1959年の『七色仮面』から2014年の最新ヒーロー『仮面ライダードライブ』まで50年以上にもわたる東映特撮ヒーローの歴史を追いかけた企画記事や、鈴村・神谷両氏の超ロング対談「東映特撮とわたし」( 両氏による思い入れの強い東映特撮作品についての熱すぎるトーク)、そしてアシスタントを務める「仮面ライダーGIRLS」の7人による特別座談会、番組スタッフ諸氏による大座談会などがあり、これらを読むと番組がより一層楽しめることうけあいである。
この番組本の完成を記念して、鈴村健一、神谷浩史の両氏にお話をうかがった。彼らの熱のこもったトークから、東映特撮ヒーロー全般に対する強い愛情のほどを感じ取っていただきたい。
――初の番組本『仮面ラジレンジャー大百科』発売おめでとうございます。放送開始から現在まで、2年以上にわたる番組の要素がぎゅっとと凝縮されている本書ですが、初めて手にされたときの感想からお願いします。
神谷:なんかね、急にできたよね。
鈴村:そうだね。最終的な中身のチェックをしたんですが、その後すぐ、じゃあこれを印刷所に回します的な事を言われてね(笑)。
神谷:チェックしてから本になるまでの期間が、すぐでした。
鈴村:番組収録の日に、本のオビに入れるコメントを出してって言われたね。
神谷:それが、もう「今すぐ下さい」ってね。えっ、今すぐ? どのタイミングで? って尋ねると「今です!」って(笑)。
鈴村:そうしたら、翌週には本が出来ていた(笑)。
神谷:製作期間って、そんなに長くなかったはずなんですよね。
鈴村:そんな中で、こんなにボリュームたっぷりの本ができたなあ、と思いました。
――内容は、これまでの番組で特に印象的だった2度の「ロケ回」(東映ヒーローワールド回、「KAMEN RIDER THE DINER」・カラオケ回)のグラビアページや、2013年、2014年それぞれの公開録音イベントレポートをはじめ、ゲストトーク、こねたまつりといった番組の傑作コーナー再録など、盛りだくさんでしたね。
鈴村:手に取ったとき思ったのは、これは自分が関係していなくても即買ってしまうタイプの本だと(笑)。番組の内容も詰まっているんですけれど、東映特撮テレビ作品の「年表」や「東映特撮ヒストリー」「作品解説」といったデータベース的な側面もあって、東映特撮のおいしいところが入っているいい本です。
神谷:立派な本だと思いましたね。作っている最中に僕らが目にしていたのは、インタビューをはじめ自分たちが関わっている部分だけだったでしょう。全体がどういう風になっているか、想像もつかなかったんです。僕らのインタビューだけでこのページ数が埋まるわけではないだろうから、どうなるんだろう? ってね。
鈴村:どのページも濃厚で、読み応えがあったね。
神谷:完成した本を読んだ時、こういう本作ってもらってよかった! と思いました。ラジオ番組本って、難しいんですよね。ラジオってわりとクローズなものですから、番組を聴いている人たちしかわからない内容だったりすると、それ以外の人たちからは抵抗感を持たれかねないと思うんです。ところがこの本は、ラジオ番組の本ではありますが、どちらかというと真正面から東映特撮そのものに向き合って作られている。特撮に対する愛情が深いって、本当に感じましたね。