「婦人科を受診(治療・検診)したことはありますか?」 |
エムティーアイはこのほど、「婦人科について」の調査結果を発表した。同調査は1月、同社が運営する健康情報サイト「ルナルナ」のユーザーを対象にインターネット上で実施し、1,289名から有効回答を得た。
はじめに「婦人科を受診した経験があるか」について質問。その結果、「過去に受診したことがある」(48.7%)と「現在、受診している」(22.6%)を合わせると、何らかの理由で婦人科を訪れた経験がある女性は71.3%にのぼった。
婦人科を受診する理由として、生理痛などの月経トラブルといったカラダの不調や、乳がん検診や子宮頸(けい)がん検診のように対象年齢になると自治体から送られてくる案内がきっかけで訪れる人が多い傾向となっている。
一方で、28.7%の人は「受診したことはない」と回答。その理由を聞いたところ、「必要性を感じない」が31.3%で最も多く、次いで「時間がない」(19.4%)、「病気が見つかるのが怖い」(11.3%)があがった。また、「担当医が男性だと恥ずかしい」(6.6%)、「内診が恥ずかしい」(5.8%)という回答も見られ、婦人科の受診を「恥ずかしい」とためらってしてしまう人が1割以上いることがわかる。
そして「どのような婦人科系の悩みを抱えているのか」との質問では、1位が「PMS(月経前のイライラ)」(42.6%)、2位が「月経の悩み・痛み」(40.7%)、3位が「頭痛」(28.2%)という結果となった。ほかにも「子宮の病気」(13.2%)、「妊娠」(13.2%)、「不妊」(11.4%)など一般的な婦人科系の悩みがあがる一方で、「頭痛」(28.2%)や「更年期」(9.9%)、「その他」の回答として「子育て不安」「拒食症・過食症」「骨粗しょう症」なども見られた。
「子宮の正常な大きさはどれくらいだと思いますか?」 |
「卵巣の正常な大きさはどれくらいだと思いますか?」 |
続いて女性の「子宮」と「卵巣」について、「どれくらいの大きさだと思うか」を調査。子宮の大きさについて最も多かった回答は、「握りこぶしくらい」で53.8%、次いで「鶏の卵くらい」(35.2%)、「ピンポン玉くらい」(9.1%)、「野球のボールくらい」(2.0%)と続いた。
正解は、約4割の人が回答した「鶏の卵くらい」が正常な子宮のサイズとのこと。ただし子宮の筋肉は、人間のカラダの中でもっとも伸縮自在だといわれており、妊娠後期になると長さや幅が約6倍にも広がるという。
続いて卵巣の大きさについては、正解の「2~3cm」と回答した人が70.2%と最も多く、「0.5~1cm」が16.3%、「4~5cm」が13.5%という結果となった。ソラマメくらいの小さな卵巣は、女性のカラダの中でもっとも腫瘍ができやすい部分ともいわれている。腫瘍ができても自覚症状があまりなく、大きくなって初めて診断されるケースも多いという。
「小さい腫瘍の時は分からないことも多いようですが、それでもおなかが少し痛くなったり張ったりして異変を感じたり、腰痛で気づくこともあるので、普段から注意し、いつもと違う症状がある場合は婦人科を受診するといいかもしれません」と同社。
「子宮頸がんについて知っていることを教えてください」(複数回答) |
次に「子宮頸がんについて知っていること」を聞いたところ、1位は「検診で発見できる」で73.1%を占めた。2位以下は「子宮頸がん予防ワクチンがある」(67.7%)、「1年に1回検診を受けたほうがいい」(62.5%)があがっている。
子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部という部分に発生するため、子宮の入り口付近にできやすく、検診で早期発見できるがんといわれている。検診では、がんになる前の状態で発見できることもあるため、特に症状がなくても、20歳を過ぎたら2年に1回は検診を受けることが望ましいとのこと。
早期発見できれば比較的治療もしやすいようだが、進行すると子宮や卵巣を摘出する手術が必要となり、2013年には日本国内で約3,000人(出典: 2015年「女性の健康週間プレスセミナー」)の女性が亡くなっている。
また、37.9%の人が回答した「ヒトパピローマウイルス(以下「HPVウイルス」)」の感染も子宮頸がん発生の多くに関連しているという。性交経験のある女性の8割以上が一生に一度は感染するといわれており、多くの場合、症状がないうちに体内から自然に排出されると考えられている。しかし数年~十数年にわたって感染が続くと、子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんになることもあるとのこと。同社は「そうならないためにも、定期的な検診で早期発見・早期治療することが重要です」と呼びかけている。
「子宮頸がん予防ワクチンの接種は安全だと思いますか?」 |
最後に、「子宮頸がん予防ワクチン接種は安全だと思うか」について質問。安全だと思っている人は20.8%、思っていない人は66.7%と、約7割の人が安全性について疑問を感じているという結果となった。
子宮頸がん予防ワクチンは、HPVウイルスの感染を予防する。予防接種として受けることができるようになった一方で、接種後にさまざまな副反応のリスクなどもみられることから、厚生労働省でも「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で受けてください」という発表をしているという。
子宮頸がんは初期の頃は自覚症状がほとんどなく、気づかないことも多いため、早期に発見するには、ワクチン接種をしていても検診を定期的に受けることが大切とのこと。