北海道・おたる水族館で、新種と思われる深海性カジカの展示を開始

おたる水族館では2月10日より、新種と思われるカジカの展示を開始した。

世界で捕獲例のない深海性のカジカを展示

同個体は、新種と思われる、これまで世界で捕獲例のない深海性のカジカ「Andriashevicottus属」の1未記載種。未記載種とは、学術論文で分類学的記載が行われていない生物種のことをいう。2014年3月に同館職員が採集中に発見した魚で、まだ名前が付いていない。現在外部研究機関と共同研究中であり、近いうちに新種と認定される予定となるという。

採集場所は、北海道八雲町熊石沖・水深250～300ⅿの深海。展示個体数は、1個体(全長約10cm)。展示期間は、2月10日～で、終了は生物の状態によるため未定。展示場所は、本館2階・展示水槽内。

北海道では食材として有名なカジカと同じ仲間で、一目見るだけでは一般的なカジカとの区別が付きにくいものの、展示個体はこれまで知られるカジカと体表の鱗の分布、頭部の上側の棘や皮弁(薄い皮でできたの突起)の有無や配置、各鰭の鰭条数など多くの違いが見られる。

1個体の展示ではあるものの、名前がまだ付いていない生物の展示は珍しい。同館では、身近な北海道の海でもまだまだ未知な世界があるという魅力を、多くの人たちに伝えられれば、とコメントしている。

同館の所在地は、北海道小樽市祝津3-303。