JR西日本の2月定例社長会見にて、京都鉄道博物館の開業に向けた進捗状況が説明された。JR貨物からEF66形電気機関車・DD51形ディーゼル機関車などの寄贈も発表されている。

電気機関車EF66形35号機とディーゼル機関車DD51形756号機(JR西日本提供)

京都鉄道博物館は梅小路蒸気機関車館と一体化した施設として、2016年春に開業予定。現在は本館建物の外観部分がほぼ完成し、「列車の車窓からご覧いただける状況となっております」とのこと。収蔵車両数は50両程度(蒸気機関車23両、新幹線6両、電気機関車4両、ディーゼル機関車4両など)で、うち12両は本館内に展示する計画とされている。すでに12両中11両の搬入を終え、残る1両も今月中に搬入予定だという。

JR貨物から寄贈される車両は、寝台特急「はやぶさ」も牽引したEF66形35号機(1974年製造)、熊本・新潟で活躍したDD51形756号機(1972年製造)、最初のコンテナ特急貨物「たから」号(汐留~梅田間)の乗務員用車両に使用されたという車掌車ヨ5000形5008号など。EF66形・DD51形は1,400mmかさ上げしての展示となり、その下に通路を設け、床下機器をウォークスルーで見学できるようにする。

本館3階には展望デッキが設置され、東海道新幹線・東海道本線(JR京都線)・山陰本線(嵯峨野線)の列車や施設内に展示された蒸気機関車が眺められる。「JR京都線に乗って博物館の建物をご覧いただくと、大阪から京都方面に行く場合と、京都から大阪方面に行く場合とでは壁の色が変わるような工夫もしてあります」とのこと。

なお、JR西日本は京都~丹波口間に新駅を設置することで京都市と基本合意を締結しており、開業すれば京都鉄道博物館への最寄り駅となる。ただし、新駅の開業予定は京都鉄道博物館開業から3年先の2019年春。「その間、エリアの皆さんと地域の活性化ができないか」と定例社長会見でも言及され、博物館の開業で多数の来場者が見込まれることから、「地域の活性化に向けた協議会を設立し、しっかり地域の皆さんと議論したい」としている。