排尿時に痛みを感じたら、STDも疑ってみよう

トイレに入って用を足していると、ふと強い痛みが走り、うみが出てくる……。思い返してみると、予防していないセックスがあったような……。そのような場合、淋菌を原因とした「淋菌感染症」にかかってしまった可能性が疑われる。

淋菌感染症は、STD(性病・性感染症)の中でもの中でも感染率が比較的高い。「もしかして感染したかも……」というときは、どのように対応したらいいのだろうか。

「淋菌感染症」の症状や予防法、治療方法などについて、STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に話を伺った。

排尿時に痛みがあったら要注意

萬田社長によると、「排尿時の強い痛みや尿道からの分泌液(うみ)」といった症状から疑われるSTDには「淋菌感染症」があるという。いわゆる「淋病」とも呼ばれる同感染症は、その名前の通り「淋菌」が感染することによって起こる病気だ。

淋菌感染症

「淋菌」が感染して起こる病気で、感染者との「粘膜同士の接触」「精液」「膣分泌液」を介して感染する。通常のセックスの他、オーラルセックスやアナルセックスなど、あらゆる性行為によってうつってしまう。1回の性行為で淋菌に感染する確率は、約3割と言われている。

■症状

男性の場合は、「尿道からの分泌物(うみ)」「激しい痛みの排尿痛」「尿道のかゆみや不快感」「精巣上体の腫れ」「発熱や激しい痛み」などが主な症状として現れる。うみの量は多く、白っぽい色かやや黄色がかっている場合もある。

男性では、激しい排尿痛などの自覚しやすい症状を伴う場合が多いため、早期に発見しやすい。だが、治療せずに放置してしまうと前立腺炎や血精液症などになってしまうこともある。淋菌に感染してからは、おおよそ2~7日で症状が現れる。ただし、症状が出ないこともあり、その場合でもパートナーに感染させる可能性があるので注意したい。

症状があれば病院へ

明らかに自覚症状がある場合は、速やかに医療機関で診断・治療してもらうことが大切だ。病院へ行く時間が無い場合や、病院での検査に抵抗を感じる場合は、「郵送検査」で検査するという方法もある。

検査は、感染する可能性があった日から2~3日経過していれば可能だ。自身が感染していた場合、セックスパートナーも感染していることが多い。パートナーにも受診を促すようにしよう。

「医療機関で『淋菌感染症』と診断されたら、筋肉注射や静脈注射、または服薬によって治療します。抗生物質が効かない耐性菌の問題もありますので、医師の指示に従って治療をうけ、終了後は再度受診して治ったことの確認をすることが大切です。もし症状が治まらないようであれば、その点についてもしっかりと医師に伝えてください。他の治療法を考えてくれると思います」。

予防にはコンドームが有効

淋菌感染症の予防にはコンドームが有効だ。ただし、オーラルセックス時にもコンドームを忘れないように気をつけたい。

「淋菌感染症はオーラルセックスでも感染します。例えばパートナーの咽頭に淋菌が感染していた場合、コンドームを使用しないでフェラチオをされると、感染の可能性が出てきます。しかし、このことは一般にはあまり知られておらず、予防の必要性が認識されていない状況があります。また、咽頭は感染しても症状が出ない場合が多く、感染していることに気づきにくいと言われています。そのため、咽頭への感染が淋菌感染症の広がりの一因になっています」。

淋菌感染症は治療すれば治る病気だが、感染したまま放置すればまれに無精子症になることもある。また女性の場合は、子宮外妊娠や不妊症の原因になるとも言われている。普段からしっかりと予防をし、不安なことがあれば早期に正しい対処をすることが重要になる。

写真と本文は関係ありません

取材協力: アルバコーポレーション

STD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。