2015年になってはや、1カ月がたとうとしているこの頃。いよいよ花粉症シーズン到来の足音が聞こえてきた。特に2~3月頃は、飛散量が多くなるスギ花粉などによって、毎年つらい日々を過ごしている人も多いだろう。

日本気象協会が1月14日に発表した今春の花粉飛散予測によると、スギ花粉の飛散開始は、西日本と東日本は例年より早く、北日本は例年並みになるという。スギ花粉のピークは福岡では2月下旬~3月上旬、大阪、名古屋、東京は3月上旬から中旬になると見られている。スギ花粉のピークが終わった後は、各地でヒノキ花粉がピークを迎える見込みとなっている。

花粉症はさまざまな症状を引き起こすが、「目のかゆみ」など目にまつわる症状に悩まされている人も少なくない。症状があまりにひどいと、仕事や日常生活にも支障が出る場合もある。

その不快感を少しでも軽減するには、目のつらい症状をやわらげるための知識を事前に知っておくことが大切だ。そこで、ベストメガネコンタクトの高木香乃(かの)さんに「目元からの花粉症対策」について伺った。

ベストメガネコンタクトの高木香乃(かの)さん

眼科での受診メリット

――花粉症による目の症状には「目のかゆみ」や「充血」「涙目」などがあり、悩んでいる人も多いですよね

「目に起こるアレルギー性結膜疾患には、さまざまな種類・症状があります。目の表面にアレルギー反応を起こす物質である『アレルゲン』が付着すると、まぶたなどを覆っている結膜に炎症が起こります。すると『目のかゆみ』や『充血』などの症状が出ます。これを『季節性アレルギー性結膜炎』と呼ぶのですが、これがいわゆる"目の花粉症"にあたります」。

――なんだか仰々しい名前ですね

「ホコリやダニなどを原因として、年中でそのような症状が出るのは『通年性アレルギー性結膜炎』などと呼ばれます。その他にも、『アトピー性角結膜炎』『春季カタル』『巨大乳頭結膜炎』などが目に起こるアレルギー性結膜疾患として挙げられます。これらの目にまつわるさまざまな症状は、眼科専門の先生が目専用の設備で直接見て診察をした方が、より最適な診断、治療、予防などが行えます」。

めがねで6~7割の花粉をブロック

――なるほど。花粉症といえば耳鼻科や耳鼻咽喉科のイメージが強かったのですが、眼科も受診の選択肢の一つに加えた方が良さそうですね。それでは予防の観点から見ると、何か対策はあるのでしょうか

「抗アレルギー薬(点眼液、内服薬)を、花粉症シーズンに突入する2週間前から予防的に使用することが一つの対策として挙げられます。今年は、2月上旬に西日本でスギ花粉の飛散が始まると日本気象協会が予想していますので(1月14日時点)、まさに今が『効果的な予防ができるか否かの分かれ目』と言えそうです。また、めがねやめがねゴーグルで花粉の飛入を防止するのも効果的です」。

――さまざまなタイプのめがねがあるかと思いますが、具体的にはどれぐらいの花粉カットが見込めそうですか

「めがねゴーグルですと完全に花粉をシャットアウトできますが、普通のめがねでも6~7割の花粉をブロックできると言われています。よりブロック率を高めるため、レンズがくもらないよう鼻の部分にスポンジパッドのついたマスクを併用するのもお勧めです」。

――なるほど。それでは、めがねではなくコンタクトユーザーはどのような対策をすればいいのでしょうか

「コンタクトレンズをお使いの方であれば、ワンデータイプの使い捨てコンタクトレンズがお勧めです。レンズに一度ついてしまった花粉は、なかなか洗い流せません。毎日清潔に保(たも)てる1日使い捨てタイプを、シーズン中は使うのがいいでしょう」。

目元からの花粉対策も抜かりなく

ひどい花粉症に悩まされる日々が続くと、とにかく億劫(おっくう)で仕方がない。花粉症の人は、本格的な花粉シーズン到来前に早めに賢く備えることで、少しでもそのつらさから逃れられるようにしよう。

記事監修 / ベストメガネコンタクト・高木香乃

東京・埼玉でメガネとコンタクトレンズの販売を行っているベストメガネコンタクトの販売担当。「眼の健康と視力を守る」という理念のもと、一人ひとりに合ったコンタクトレンズ・メガネを提案している。