本田技研工業は15日、パッケージ型「スマート水素ステーション」を福岡県北九州市の「北九州市エコタウンセンター」内に設置し、開所式を行ったと発表した。式典には、北九州市長の北橋健治氏、岩谷産業専務取締役の牧瀬雅美氏、本田技研工業取締役専務執行役員らが出席した。

スマート水素ステーション

今回設置されたのは、同社独自技術であるコンプレッサーが不要な高圧水電解システムを採用し、高圧水素タンクから充填ノズルまでの主要構成部位をパッケージ型に収納した「スマート水素ステーション」。パッケージ化により、設置工事期間と設置面積の大幅な削減が可能となっている。

北九州市エコタウンセンターにおいては、敷地内の太陽光パネルによって発電された電力を使って水素を製造しており、将来的には風力発電などの多様な再生可能エネルギーを取り入れたCO2排出ゼロの水素製造も視野に入れているという。

同社は現在、燃料電池自動車「FCXクラリティ」を用いて「北九州スマートコミュニティ創造事業」における共同実証実験として、燃料電池自動車から家庭への電力供給(V2H : ビークルトゥホーム)や、蓄電池への継ぎ足し充電(非常用V2L : ビークルトゥロード)を行っている。今後は、今回設置したスマート水素ステーションによって、製造過程においてCO2排出ゼロの水素を供給することで、エネルギーの地産地消を実現するV2H・非常用V2Lの実証試験を進めていくとしている。