本田技研工業(ホンダ)は東京ビッグサイトで開催された「第16回 エコプロダクツ2014」に出展し、新型燃料電池自動車のコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」を展示した。

「エコプロダクツ2014」会場に展示された「Honda FCV CONCEPT」

同車の外観は、昨年のロサンゼルスオートショーで世界初公開され、今年5~6月にホンダ本社ビル(東京・青山)で特別展示も行われた「Honda FCEV CONCEPT」のデザインを踏襲しつつ、後輪を覆うスカートがなくなるなど変更点も見られる。セダンタイプでは初めて、燃料電池スタックを含むパワートレインをボンネット内に搭載したのも特徴。大人5人が快適に座れるフルキャビンパッケージを実現しただけでなく、将来のFCV普及期において、複数の車種に展開することも可能だという。

新開発の燃料電池スタックは従来型より小型化され、出力100kW以上、出力密度は3.1kW/Lに。他に70MPaの高圧水素貯蔵タンクも搭載し、700km以上の航続距離(JC08モード走行時、充填圧70MPaの水素ステーションでの社内測定値)も実現した。水素タンクの再充填は3分程度で完了し、現在のガソリン車と同等の使い勝手を可能にするという。

「Honda Power Exporter CONCEPT」も展示

「エコプロダクツ2014」の会場に展示された「Honda FCV CONCEPT」は、空力性能と先進デザインを両立させたコンセプトカーならではの外観で、来場者の注目を集めていた。「かっこいい」「スポーツカーみたい」といった声も聞かれ、車内をのぞき込もうとする来場者の姿も見られた。

会場では、外部給電器のコンセプトモデル「Honda Power Exporter CONCEPT」も展示された。FCVから最大9kWの出力が可能で、FCVと外部給電器の組み合わせにより、「走る電源」としても活躍。災害時には非常用電源として、平常時もアウトドアシーンなどの電源として活用できるとのことだ。

ホンダは性能向上とコストダウンをめざした次世代FCVのコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」をベースに、2015年度中に新型FCVの発売をめざす。あわせて高圧水電解システムを採用したパッケージ型「スマート水素ステーション」の普及促進も図り、水素を「つくる」(スマート水素ステーション)・「つかう」(FCV)・「つながる」(外部給電器)の3つをコンセプトに、CO2ゼロ社会の早期実現に取り組むという。