厚生労働省は12月9日、2013年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。同調査は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料として、国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため毎年実施している。2013年は重点項目として、さまざまな基準の策定に関わる実態を把握したという。

2013年の「国民生活基礎調査」において設定された単位区から無作為抽出した300単位区内の5,204世帯を対象として実施し、有効回答が得られた3,493世帯について集計した。

19.3%が喫煙

「現在習慣的に喫煙している者の割合の年次推移(20歳以上)(2003年~2013年)」

調査の第5章では、「飲酒・喫煙に関する状況」をまとめている。調査によると、現在習慣的に喫煙している人の割合は19.3%。性別にみると、男性32.2%、女性8.2%であり、男女ともに10年間で減少傾向にあった。

なお、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針「健康日本21(第二次)」では「成人の喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)」が目標とされており、目標値は12%と設定されている。

「たばこをやめたい」は24.6%、「減らしたい」は33.5%

現在習慣的に喫煙している人のうち、たばこをやめたいと思う人の割合は24.6%で、2011年と比べて男女とも減少している。たばこの本数を減らしたいと思う人の割合は、33.5%で、2011年と比べて増加している。

「現在習慣的に喫煙している者におけるたばこをやめたいと思う者の割合の年次推移(20歳以上)」「現在習慣的に喫煙している者におけるたばこの本数を減らしたいと思う者の割合の年次推移(20歳以上)」(2008年~2013年)」

受動喫煙も減少

過去1カ月間に、自分以外の人が吸っていたたばこの煙を吸う機会(受動喫煙)があった人(現在喫煙者除く)の割合は、2008年と比べると、「学校」「遊技場」を除くすべての場所において減少している。しかし、「飲食店」「遊技場」「職場」において受動喫煙の割合は3割を超えており、依然として高い状況にある。

「自分以外の人が吸っていたたばこの煙を吸う機会(受動喫煙)を有する者の割合(20歳以上、現在喫煙者を除く)

なお、「健康日本21(第2次)」では「受動喫煙(家庭・職場・飲食店・行政機関・医療機関)の機会を有する者の割合の減少」を目標に、「家庭」3%、「職場」受動喫煙の無い職場の実現、「飲食店」15%、 「行政機関」「医療機関」0%が目標値として設定されている。

受動喫煙防止対策を望む場所として、非喫煙者では「路上」「飲食店」に次いで「子供が利用する屋外の空間(公園、通学路など)」と回答した者の割合が高く、それぞれ42.7%、42.1%、36.9%。喫煙者では「特にない」と回答した者の割合が最も高く、51.5%となった。

受動喫煙防止対策の推進を望む場所(20歳以上、喫煙の状況別)