歌手で俳優の杉良太郎が、14年ぶりの主演時代劇となる『医師 問題無ノ介』に出演することが4日、明らかになった。

時代劇『医師 問題無ノ介』に出演する杉良太郎(左はEXILE・小林直己)

同作は、12月20日から動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV(以下、dビデオ)」で配信をスタートするドラマ(全95分)。企画、原作、脚本、主演、主題歌(「俺は問題無ノ介」)、すべてを杉が担当する。

貧しき者から診療代を受け取らず、病のみならず患者の相談事や厄介事もすぐに解決してしまう町医者・問題無ノ介。本作は彼の活躍を描いた物語で、恋人・おまると共に藩のお家騒動解決に奔走する。女と金にはだらしないが、剣の腕は超一流。どんな逆境に追い込まれても「問題なーい!」が口癖の問題無ノ介を、今年70歳を迎えた杉が鮮やかな殺陣を披露しながら演じる。

2000年にテレビ東京系で放送された『次郎長三国志』以来、14年ぶりに時代劇の主演に挑んだ杉。「『そんなにあいていたのか』と気付かされました」とブランクを感じないのは、「その間も構想を練ったり、脚本を書いたり」と準備を続けていたから。「2、3時間も経てばずっと続けてやっているような感覚になり、撮り終えたときは『これで終わりか』と感じるような思いでした」とベテラン俳優らしいコメントを寄せ、「自分では、70歳にしては若い頃と変わらない立ち回りができたのではないかと思っています」と手応えを伝えた。

また、本作にはドラマ初主演となるEXILE・小林直己が、杉の敵役として闇の刺客を演じる。杉は「彼にはこの作品に入る前から歩き方を含めた立ち居振る舞い、特に立ち回りを教えてきたので、それほど緊張もせずに時代劇初出演としてはよくできたと思います」と評価し、「直己は真面目で性格が良すぎるので敵役を演ずるのが難しかったかもしれませんが、日本の映画界には敵役をやれる俳優がいないので、ぜひ、その路線で成功させてほしいです」と悪役路線での活躍を期待している。

一方の直己は、「杉さんの演技塾に通わせていただいていたので、芝居の面はもちろん、人間、そして男として憧れている方と共演できたことは、本当にうれしかったです」と感激。「杉さんの言葉で『直己の初の時代劇だから、大きな花火を打ち上げてやる』と温かいメッセージをいただいたことは、とても印象に残っています」と振り返り、「杉さんの撮影に向かう姿勢や行動を一番近くで見させていただき、その姿やいただいた言葉は、僕にとって"最高の財産"」と感謝した。

「その時代、時代の生活感があり、リアルな中にもユーモアのある人物を演じてみたいという気持ちがあります」と杉の飽くなき探究心をぶつけた本作。14年分の思いは、「若い人たちに『時代劇って身近にあるもの、楽しいもの』と感じてもらいたいです。ブームまではいかなくても、もう少し時代劇ドラマが増えてほしいと願います」という言葉が象徴している。