『京大芸人式日本史』
発売中 1,300円(税抜き) 幻冬舎刊

――菅さんはこの本を書く際に、どのような読者を意識して書かれましたか。

「もちろん受験生に読んで欲しいですけど、教科書を読む前に一回この本を読んで『面白いな』と思ってから日本史の教科書を読むと、めっちゃ頭に入ってくると思うんですよ。運動前のサプリメントみたいな感じでより効果的というか。(テストの)点数…上がるんじゃないかな(笑)」

――本書にはさまざまな歴史上の人物が登場しますが、個人的には英語交じりのラップを駆使するジョン万次郎さんが印象的でした。

「あれは『いいの思いついたな』と思いましたね。文章としてはとんでもない読みにくさですけど(笑)」

宇治原「僕は『飛ばしたろかな』と思いましたね。頭の中には書いてることは全部入ってるので、飛ばしてもいいかなと(笑)」

――ところで、宇治原さんは菅さんの文才についてはどう思っていますか。

宇治原「尊敬はしてます。読みやすいですよね。なんというか…中学歴の良さというか(笑)。でも、高校の時の文集なんかを見ると、文章の書き方は一緒ですわ。変わってないです」

「誰かをターゲットにしてイジる、という」

宇治原「リズムとかも変わってないな」

「昔、宇治原さんが書いた文章を僕が書いたことにして編集者の人に渡したら『これ、ほんまに菅さん書きましたか?』って聞かれたんですよ。『どうして分かったんですか?』って尋ねたら『いや、めっちゃ読みにくいんで』って(笑)」

――文章の違いってけっこう分かるものなんですね。

「たぶん、高学歴の人が書く文章って、高学歴の人は読みやすいんですよ。教科書は賢い人が書いているから賢い人は読めるけど、僕みたいな中学歴の人間にはちょっと難しいんだと思います」

――この本の著者として、読者には一番どう感じて欲しいですか?

「単純に笑ってくれたら嬉しいですね。でも、日本史って成績上がらなければいけない科目なので、読んでくれた人の成績が上がるようにと、そこは意識しました。ですから2、3年後、センター試験の日本史の平均点が上がったら『あれ、菅のあの本が…』みたいな感じになれば…」

宇治原「話でかすぎるやろ(笑)。けど、結局、日本史に限らず勉強って『楽しかったもん勝ち』『楽しいと思ったもん勝ち』だと思うんです。ですから、この本読んで『日本史おもろいな』とか思ったら実際、成績上がるでしょうね」

――では、改めてお二人にとって「勉強」とは何でしょうか。

宇治原「僕はただ単に"新しいこと"を知ることが楽しいんです。たとえばテストでいい点取れば嬉しいし、それって僕の中ではテレビゲームをクリアしてる感覚というか、遊びみたいな感覚で勉強してたので、ホントは勉強は"遊び"であるべきやと思うんですよ」

「甲子園で泥だらけのユニフォーム見たら『ようやったな』ってなるけど、書き込まれて真っ黒のノート見たら『気持ち悪っ』ってなりますよね。でも、僕、それって一緒やのにな、と。そこは意識改革せなあかんというか、甲子園目指して頑張ってる人もかっこいいし、勉強で頑張ってる人もかっこいいんだというふうに」

宇治原「俺のノート見て…すごい気持ち悪かったん?」

「すごい気持ち悪かった(笑)」

――確かに、スポーツが出来ると賞賛されますけど、勉強が出来てもなかなか同等の賞賛は得られませんよね。

「僕みたいな中学歴から見ると、なんでそうなのかなと。昔からなぜか勉強出来る人のことってくさしたがりますよね。まぁ結局、くさしてるのは僕みたいな中学歴なんですけど(笑)」

宇治原「全員がやらないといけないからね、勉強は。野球やサッカーは好きで選んでやってることだけど、勉強は全員がやらないけない、という感じがよくないんでしょうね。宿題が罰、という発想とかも含めて」

「いっそのこと、高校行かんでもええ、という世の中にもっとなればいいのにって思いますね」

宇治原「逆にね」