今年原作連載25周年を迎えた『攻殻機動隊』シリーズの作品の世界を"リアルに作ろう"というコンセプトを掲げたプロジェクト「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」がスタートした。

『攻殻機動隊』シリーズの作品の世界を"リアルに作ろう"というコンセプトを掲げたプロジェクト「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」

本プロジェクトは、11月12日に東京・六本木「泉ガーデンギャラリー」で開催された「NTTドコモ・ベンチャーズDay」の第2部として始動。NTTドコモ・ベンチャーズ取締役副社長の秋元信行氏が司会を務め、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の稲見昌彦氏、理化学研究所脳科学総合研究センター・適応知性研究チームのチームリーダー/ハコスコ代表取締役の藤井直敬氏、産業技術総合研究所・知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループ主任研究員の梶田秀司氏、角川アスキー総合研究所取締役主席研究員の遠藤諭氏がゲストとして登壇し、科学技術にも多大な影響を与えた『攻殻機動隊』の世界を"リアルに作ろう"をテーマにディスカッションを行った。

秋元氏は冒頭で「この会場の中で『攻殻』をまだ観たことがない方、本日帰ったらすぐ観ましょう」と述べ、光学迷彩、電脳、義体など、それぞれが自らの研究領域と『攻殻機動隊』の世界観を比較・分析し、濃密なトークが繰り広げられた。『攻殻機動隊』にヒントを得て光学迷彩を開発に取り組んだという稲見氏は、「あるSF映画監督は、95%のリアルに5%の空想を加えると良い作品ができると言いました。我々はその5%をリアルにできるよう、引き続きがんばっていきます」と、『攻殻』シリーズの恩返しを誓っていた。

続く藤井氏は「テクノロジーの進歩の観点のみでなく、『攻殻』の世界が実現したら平和な社会は保てるのか? 世界がどう変わるのかを考えながらテクノロジーに寄り添っていきたい」と『攻殻』視点からの世界の変化を伝授。梶田氏は「まだまだ『攻殻』の世界は現実的ではない、その溝を埋めるために日々のたうち回っています」とリアルへの壁を明かし、遠藤氏は「情報と分析では答えが出ない問題を解決するのは、エンタメの跳躍力だと考えており、今回のREALIZE PROJECTは正にそれだと思っています」と意気込みを語っている。本プロジェクトの詳細については公式サイトまで。

『攻殻機動隊』は、士郎正宗が手掛けるSF漫画で、1989年に『ヤングマガジン海賊版』(講談社刊)で連載がスタートし、今年原作25周年を迎える。科学技術が発達した架空の日本を舞台に、さまざまな犯罪による被害を最小限に防ぐ内務省直属の組織「公安九課」の活躍が描かれている。本作は劇場アニメやTVシリーズ、ゲームなど多様な展開を見せ、現在は主人公・草薙素子の過去と公安九課=攻殻機動隊の立ち上げを描いた劇場アニメ『攻殻機動隊ARISE』シリーズが展開され、2015年には長編アニメーション作品が公開される。

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