労務行政研究所は5日、「2014年度 モデル賃金・賞与実態調査」の結果を発表した。それによると、2014年度にベア(ベースアップ)を実施した企業は前年度(10.6%)比35.3ポイント増の45.9%と、大幅に増加した。同調査では、企業業績の回復を受け、ベアを含む賃上げが広がったためと推察している。

規模別に見ると、従業員1,000人以上の企業では61.2%がベアを実施し、300~999人の38.6%、300人未満の29.1%に比べて大手ほどベア実施率が高かった。産業別では、製造業が52.4%、非製造業が39.3%となった。

定昇(定期昇給)を実施した企業は95.9%。また、賃上げ額における定昇とベアの構成割合は定昇87.4:ベア12.6と、2001年度以降で13年ぶりにベアの占める割合が1割を超えた。

平均賃上げ額は前年度比918円増の5,896円、平均賃上げ率は同0.3ポイント増の1.94%だった。

2014年度の平均年収は502万8,800円と、前年度より約17万円増加。年間賞与(2013年年末+2014年夏季)の支給月数は同0.27カ月増の4.15カ月と、2009年度以来5年ぶりに4カ月台を回復した。ただし、2008年度(4.59カ月)と比べると0.44カ月下回っており、賞与は依然としてリーマン・ショック前の水準に戻っていないことがわかった。

2014年度の年収および年間定期給与、年間賞与の1社当たり平均額(出典:労務行政研究所Webサイト)

調査対象は、全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業を含む)と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)。調査期間は2014年6月23日~9月1日、有効回答は271社。