もうすぐ28歳になるのですが、すごく後悔していることがあります。それは今まで"合コン"に行った事が無い人生だったということ。いやいや、まだこれからもできるじゃんって話なんですけど、行ってしまえば最後。彼女に首を根こそぎ持って行かれてしまうでしょう。

彼女も同席で友達の合コンに行ってきた話なんかを聞くと『面白そう! 行ってみたい!』なんて口をそろえて言ってたりするのだが、その言葉に甘んじていざ"合コン"に参加すれば最後。彼女に首を根こそぎ持って行かれてしまうでしょう。大事なことなので2回言いました。

そうなんです。今まで学生時代も含め一度も……いや、一度だけ"合コン"とやらに参加したことがある。その一度と言うのも先輩にお願いされて頭数合わせでボーリングに参加したぐらいだが。時折、脳裏をよぎる彼女の右手にはするどいカマが見え、3時間のボーリングで一度も敬語をやめられなかったし、ハイタッチすらしてない。もはやハイタッチをしないでいいようにほぼガーターでした。女子に触れでもしたら人生のガーターになりかねない。

そんなわけで真の"合コン"という幻のエンターテイメントに憧れている。そこにはどんな景色が広がっているのだろうか。ベタな自己紹介から席替えして王様ゲーム……朝帰りムフフのフみたいな流れなのだろうか。とにかくピンク色の未知数なのだ。

しかし参加したことある友達に話を聞くとどうもそこまで面白くないらしい。聞いているこっちとしては妄想想像が膨らんでいるので面白そうで仕方ないのだが、だいたい性格や話が合わない人だったり、全然盛り上がらなくて……行って損したなんて話を聞く。そういえば、そこで恋人になりました! とは一度も聞いた事がない。でもいないわけじゃないはずで。

よくよく考えてみると彼女欲しい! 彼氏欲しい! と飢えに飢えた状態で挑みその場でささっとお手軽に出来上がるものじゃないと思う。まずは友達としての出会いの場として挑むのがいいんじゃないかと思っている。気軽に参加し自分の素を見せられるような気の合う友達を作るための場なのだ。恐らくそうだ。決してやましい場ではないのだ。ちょっとにぎやかなハローワークみたいなもんだろう。そうだ。きっとそうだ。世の中の8割の方は経験しているもののはずだ。

ということは僕も行っても問題ないということではないのだろうか。自分でもここまで書いてどうしてこんなに行きたがっているのかもわからないが、面白くないと聞かされても妄想想像だけは膨らんで行く一方で今僕にとってディズニーシーと同じぐらいのテーマパークと化している。そして、あの頃のハイタッチすらできなかった自分への借りを返したい。そうだ、このまま敗北のまま引き下がれないのだ。というわけで一度でいいから"合コン"に参加してみたい。見えない敵といつもまでも闘っている。

次回の更新がなければ首を根こそぎ持っていかれたと思ってください。

<著者プロフィール>
吉本ユータヌキ
唐揚げと長澤まさみをこよなく愛す1986年製のたぬき型人間。ブログ『さっきもUたやん』を中心に文章を書いたり、イラストを描いたり、背中を掻いたり。フリーカイターです。重度の虚言癖と盛り癖をわずらっていますので優しく見守ってあげてください。Twitterでは日常が垣間見え過ぎています→@gonnakill_uta