日本マクドナルドは10月29日、ユーザーと共同開発した「ごまかつソース」を採用した「とんかつマックバーガー」(税込319円~401円)をレギュラーメニューとして全国で発売する。なお、平日ランチタイム限定のお得なセットメニュー「昼マック」(税込550円)としても販売する。

「とんかつマックバーガー」(税込319円~401円)

同商品に使用されているソースは、ユーザーと商品を共同開発するというマクドナルド史上初の試み「みんなのとんかつソース開発プロジェクト 」によってつくられた。発売に先駆けこのほど、商品発表会が行われた。

新ソースは「ごまかつソース」に

同プロジェクトは、今年5月7日から期間限定で販売した「とんかつマックバーガー」のソースをユーザーと新たに"共創"する企画。一般公募で、3,000人以上の応募の中から選ばれた主婦や学生、会社員など20代~50代までの15名と彼らをまとめる班長として2名の味の専門家、そしてソースサプライヤー、マクドナルドクルー、マクドナルドメニュー開発者らがプロジェクトメンバーとして名を連ねた。

6月15日に行った第1回会議では10種類の候補ソースを試食、6月22日の第2回会議では、第1回で選ばれたものを改良した4種類の候補ソースと研究会メンバーが考案した「ねぎ塩ソース」「ごまかつソース」の計6種類の中から、最終候補の2種類「まろやかジンジャーソース」「ごまかつソース」を選出した。

さらに8月4日から8日まで、「とんかつソース全国大品評会」を全国のマクドナルド60店舗で実施。最終候補のソース2種類と5月に販売した時のオリジナルソース「すりおろし野菜」を含む3種類のソースをユーザーが食べ比べて好きなソースに投票するというもので、投票者数は全国で1万1,000名以上にものぼったという。その結果「ごまかつソース」が選ばれた。

焙煎ごまの香ばしさと、隠し味の濃厚なコク

日本マクドナルドメニューマネジメント部の唐澤俊輔さん

とんかつマックバーガーは、ビーフのニーズが多い欧米に比べて、日本ではポークやシーフードのニーズが多い傾向にあることを踏まえて、「てりやきマックバーガー」に次ぐ2つ目のポーク商品として開発されたという。

研究会メンバーとともに開発に携わった、同社メニューマネジメント部の唐澤俊輔さんは、「とんかつバーガーのレギュラーメニュー化にあたり、"日本の消費者に末長く心から愛してもらえる最高の商品をつくりたい"という思いから、顧客共創という形でのソース開発に取り組みました」と同プロジェクトが発足した経緯を明かした。

ソースは、焙煎ごまの香ばしさに加えて、隠し味として味噌とガーリックを入れることで濃厚なコクをさらに引き出したそう。また、とんかつのパティには肉厚の豚のロース肉を使用。ジューシーさを極力失わずに提供するために、パン粉をつけたあと急速冷凍されたものを店舗でフライする調理方法をとっているという。

さらに、とんかつの衣には細めと粗めの2種類をブレンドしたパン粉を使い、サクサクの食感に仕上げた。バンズには甘みをおさえた「ブランバンズ」を使用することで、とんかつとソースの旨みを引き立てているとのこと。

「とんかつマックバーガー」はマスタードも隠し味

焙煎ごまの香りとコクに注目!

試食したところ、食べる前からソースの豊かな香りに驚かされた。一口ほおばると、深いコクと程よい甘さのあるソースとサクサクでジューシーなとんかつがマッチ。ソース、キャベツ、パティ、バンズが一体となって旨みがギュッと凝縮されており、やみつきになりそうな味わいだ。

プロジェクトを振り返って……メンバーそれぞれの思いとは?

班長を務めた(左から) 薮伸太郎さん、菅慎太郎さん

今回の商品化について、班長を務めた味覚コンサルタントの菅慎太郎さんは、「"決まって良かったな"という安心感があります。日本人の定番でありながら、世界にも認めてもらえる『てりやきマックバーガー』のような存在になれる商品だと思います」と語った。またプロジェクトに関しては、「マクドナルド側の味を"決める"のではなく、"つくる"という姿勢に気づきました。消費者の素直な気持ちを"味のプロ"である私の立場から翻訳して、"つくるプロ"であるマクドナルドの方に伝える連携プレーが大事でした」と振り返った。

同じく班長を務めた西日本ハンバーガー協会会長の薮伸太郎さんは、「夢のような企画だと思った。班長としては、すべての意見を否定しないで拾い上げるということに注意しました。会議は白熱して、"自分たちがマクドナルドの商品を作っている"という感動を覚えるような時間でしたね」と明かした。

(左から)お客さまメンバーの中野正之さん、金崎薫さん

主婦の金崎薫さんはごまかつソースについて、「"良いソースに育ったな"とうれしく思っています」と語った。そして会社員の中野正之さんは、「会議の2日間はいろんな年齢や職業の人がいる中で、最終的に意見をまとめることができて、皆で感動したことを思い出します」と感慨深く語った。

メンバーそれぞれの思いを受け、唐澤さんは「私たち自身も、どこに向かっていくのか分からないまま走り続けるという状況には不安がありました。それでもお客さまの顔を見ながらお話を聞くことでその真意を理解することができたので、お客さまの声を反映した商品に仕上げられたと思います」と、心境を語った。

「てりやきマックバーガー」に次ぐ、世界が認める第二の定番商品になるかどうかに期待したい。全国のユーザーが選び抜いた納得のソースを、一度試してみてはいかがだろうか。