NHKのBSプレミアムドラマ『だから荒野』の取材会が8日、都内スタジオで行われ、キャストの鈴木京香、杉本哲太、高橋一生、濱田龍臣、前田公輝、品川徹が出席した。

NHKのBSプレミアムドラマ『だから荒野』の取材会に出席した濱田龍臣、前田公輝、杉本哲太、鈴木京香、(左から)

桐野夏生の同名小説が原作の本作は、主婦の一人旅を通して描く人間再生のドラマ。夫の浩光(杉本)や息子の健太(前田)、優太(濱田)の身勝手さに辟易した朋美(鈴木)は、思わず車で飛び出す。旅路で衝撃的な出来事に遭遇する中、章吾(高橋)と山岡(品川)に出会った朋美は、彼らと一緒に長崎へ行き、人間として成長していく――というストーリーで、ドラマは、2015年1月11日22時から毎週日曜日に放送する(全8回)。

長崎でのロケを終えた主演の鈴木は、「『家族を捨ててまで何を求めているんだろう』と思っていたけど、長崎に行ってからは彼女と私の気持ちが合わさるようになってきた」と心境の変化を明かしつつ、「女性に見ていただきたいですし、長崎の歴史も出てくるので子どもたちにも観て欲しい」と胸を張ってアピール。未婚の鈴木は、専業主婦という役柄を演じるにあたり、「家庭の中で生活している女性の気持ちが分からなかった。甘えの多い女性だと思っていた」と葛藤もあったようだが、「実はものすごく芯が強い女性。理解が出来なかった部分も彼女の長所と思えるようになった」と話していた。

「『働かないで家にいるから世界を知らない』と、家族に思われているのは本当に辛い」と振り返る鈴木は、「自分勝手な最低、最悪の夫」(杉本)ら家族に対して感情を爆発させるシーンが印象深いと言い、「旅をしている時も、そのシーンを思い浮かべてて。でも、久しぶりに家族4人が揃うとうれしい」とにっこり。また、「旅っていうのは自分がどういう環境にいたのかを理解するきっかけになる。自分がよく見えるようになってくる」と語る鈴木に、原爆の語り部として生きる山岡を演じた品川は、「鈴木さんと一緒にやれて、とても良かった。顔を見て話していると、私が思い付かないようなプランを引き出してくれる」と感謝していた。