東北地方随一の大都市・仙台は、東北新幹線を利用すれば東京から日帰り圏の大都市であることから、市中心部におけるビジネスホテルのバリエーションは他の大都市と比較して目立たない。一方、全国的なビジネスホテルチェーンが都市部で席巻しているのは他の都市と同様であり、無料朝食もこれらチェーンが秀でている。

チェーンホテルに対抗して、充実した無料朝食がアピールポイントに(写真は「バリュー・ザ・ホテル三本木」の無料朝食の肉(生姜焼)定食)

しかし、仙台郊外の都市にある独立系のビジネスホテルやロードサイドに積極的に展開する地元チェーン、震災復興ホテルといったシンプルな滞在を重視したビジネスホテルが目立つことも特徴で、これらホテルの無料朝食の充実には目を見張るものがある。そんな仙台とその周辺のビジネスホテル無料朝食をみてみよう。

なお、全国チェーンのビジネスホテルの無料朝食は、同一チェーンの店舗間で多少の差異は見られるが、全国的にほぼ同じクオリティー・内容となっている。そのため、ここでは各都市での独立系・小規模チェーンのビジネスホテルで無料朝食サービスを展開しているホテルに注目したい。もちろん「無料朝食」といっても宿泊料金に転嫁されているわけだが、別途料金が発生する「有料朝食」との対比で無料という表現を各ホテルが用いているので、本文でも便宜的に「無料朝食」と表現させてもらう。

チェーンを意識し充実した無料朝食を

全国的なビジネスホテルチェーンが充実した無料朝食を展開することは前述したが、地元の独立系ホテルでもそれらチェーンに対抗すべく、充実した無料朝食を提供しているケースを時々みかける。

そもそも全国チェーンのホテルは、ポイントカード等を利用した会員への各種優待制度が充実しており、ホテルの主たる顧客層である全国各地を飛び回る出張族にとって同一のホテルチェーンを利用するメリットが高い。そのような中で地元独立系ホテルが充実した朝食をアピールすることは、無料朝食の内容でホテルを選ぶ利用者も多い中、新たな顧客の誘引に一役買っているようだ。