博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所はこのほど、「全国47都道府県メディア接触分析」の結果を公表した。
同レポートは、全国47都道府県に住む生活者の主要6メディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・PCネット・携帯ネット)に対する接触状況を分析するもの。使用データは、全国47都道府県の各地域で満15歳~69歳の男女個人を対象に、2013年10月20日から26日にかけて郵送調査で実施。 有効サンプルは2万8,826人となる。
分析の結果全国を7グループに分類
メディア接触時間量やメディア評価などの視点から生活意識・関心などを分析した。その結果、全国47都道府県の生活者のメディア接触は、(1)アイランドマス、(2)テレビ・ラジエリアン、(3)テレビラバーズ、(4)ネットシチズン、(5)アベレージニッポン、(6)ネットウェスタン、(7)ラジエリアンからなる7グループに分類されることが分かった。
デジタル化が進展し、スマートフォンやタブレット端末などのデバイスが多様化。また、ソーシャルメディアの発達などメディア環境は大きく変化している。全国的に見ると、ネットの接触が年々高くなっていく傾向にあるが、全国が均一化しているわけではなく、地域によって特徴が分かれることが明らかになったとしている。
各グループの特徴は?
「アイランドマス」は、メディア接触総時間量が最も多く、テレビ・新聞の接触が高い。エリアは、北海道、青森県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県。基本属性は、60代の比率が高め。メディアに対する評価は、「仕事に役立つ情報」が多く「地域・地元の出来事がよくわかる」のはテレビ。「ふだんの生活に欠かせない」や「お店や旅行の情報入手」は新聞。生活意識・関心は「食品は産地を確認」「ITにはあまり関心がない」「情報は広める前に情報源を確認」「買い物はポイントが貯まる店」。
「テレビ・ラジエリアン」は、ラジオとテレビの接触が高く、ラジオが生活に根付いている。ネット接触は低い。山間部が多く、自然に恵まれ農業が盛んとなっている。エリアは、岩手県、山形県、長野県、宮崎県。基本属性は、50代以上で、給料労務・作業職、農・林・漁業の比率が高め。メディアに対する評価は、「地域・地元の出来事がよくわかる」のはテレビ・ラジオ。「ふだんの生活に欠かせない」や「天気・気象情報の入手」はラジオ。生活意識・関心は、「行事や祭り・コミュニティーへの参加」「地域との結びつきが強い」「健康管理への意識が高い」「戸建て志向」「子どもや孫と暮らしたい」「環境意識が高い」「料理・車に関心がある」「農業への関心が高い」「仕事の充実感が高い」。
「テレビラバーズ」は、テレビの接触と評価が高く、ネットは低い。米や酒の生産量が高い。エリアは、宮城県、秋田県、福島県、栃木県、群馬県、新潟県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県。基本属性は、50代の比率が高め。メディアに対する評価は、「世の中の動きが幅広くわかる」、「ふだんの生活に欠かせない」や「株式・市況の情報入手」はテレビ。生活意識・関心は「地域の情報は中央の情報より重要」「行事や祭り・コミュニティーなど地域に密着」「中元・歳暮を贈る」「防災・防犯意識が高い」「農業に関心がある」「健康管理に注意」「戸建て志向」「車への関心が高い」。
「ネットシチズン」は、ネットの接触が高く、その他のメディア接触は全体的に低い。エリアは、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都、福岡県。基本属性は、30~40代の比率が高め、給料事務・研究職、経営・管理職、大学・大学院生、主婦の比率が高め。メディアに対する評価は、「情報量や日常生活に役立つ情報が多い」のはインターネット、「最新の情報がわかる」のは携帯ネット、「地域・地元の出来事がよくわかる」のはインターネット・フリーペーパー。生活意識・関心は「政治・経済・情報・ファッション・教育」など、全般的に関心度が高く、「戸建て・車への関心は低い」「地域との関わりが希薄」。
「アベレージニッポン」は、メディア総接触量が最も少なく、接触傾向は全国平均に近い。地理的に日本の主に中央に位置。エリアは、富山県、石川県、福井県、岐阜県、山梨県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、鳥取県、島根県、岡山県、広島県。基本属性は、給料労務・作業職の比率が高め。メディアに対する評価は、「人気や流行を知るのに役立つ」のは雑誌、「お店やタウン情報」はフリーペーパーやクーポン誌・折り込みチラシ。生活意識・関心は「エコバッグやマイボトルといった身近なエコ活動、欲しい情報に出費を惜しまない」「生活を楽しむためにお金を使う方」「値段が高くても品質を重視」「有名人や芸能人の情報に関心がある」「新製品に興味がある」「衣類や美容にお金をかける」「車にこだわりがある」。
「ネットウェスタン」は、ネットの接触が高い。新聞も高め。関西の都市圏が中心。エリアは、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、山口県。基本属性は、大学・大学院生、主婦の比率が高め。メディアに対する評価は、「地域・地元の出来事がよくわかる」のはインターネット、「株式・市況の情報入手」はPCネット、インターネットは生活に欠かせない。生活意識・関心は「景気や株式・円相場に関心あり」「将来に備えて貯金する方」「金利に関心あり」「教育にお金を惜しまない」「ファッション・身だしなみに関心が高い」「戸建てよりマンション志向」「狭くても都心部がよい」「キャンペーンや懸賞に関心あり」「地域との関わりが希薄」「情報収集・発信力に自信あり」。
「ラジエリアン」は、鉄道がほとんどなく、交通手段は車中心であるため、ラジオ接触が圧倒的に高い。沖縄県単独のエリア。基本属性は、平均年齢が最も低い、販売・サービス職、無職の比率が高い。メディアに対する評価は、「生活に欠かせない」のは新聞・ラジオ、「世の中の動き・地域の出来事が幅広くわかる」のはラジオ、「内容が楽しめる」のは雑誌、「映画/演劇/音楽の情報入手」は新聞。生活意識・関心は「政治・海外情報・環境問題に関心あり」「教育・運動・食事・健康に関心が高い」「ITに高い関心」「寄付やボランティアに積極的」。