――石原さんは操られるシーンがありましたが、どのように演じたのでしょうか。

石原:操られるのは私が一番初めじゃなくて、エキストラの方々や終一のお友達が操られているシーンを先に撮影していたので、そこと統一させるためにどういうふうに操られているのかを先に監督に聞きました。ガクッと落ちないとか力が抜けないとか。段取りとしてそういうものがあって、その上で感情は…意外と無でした。

――受け身であることを心がけたそうですね。

石原:そうですね。"男"と対峙するシーン以外は、ほとんどその状況に流され、振り回され、巻き込まれっていうので。

――山田さんは"男"の役だったら、オファーを受けなかった可能性もあったと聞きました。

山田:仕事を選ぶ上で、前後1年くらいでどういう作品をやったかというバランスを見て仕事を選ぶので。タイミング的に今じゃないなと。別のタイミングであれば、違ったと思うんですけど。

石原:私はマネージャーさんが決めてくださっていて、いろいろとプロデュースしてくださる方々のことを信じていますし。だけど、この台本や韓国の原作を含めて全部見せさせていただいた時に、お二人が演じているシーンが想像できてすごくワクワクしました。

――先ほど、山田流の演出克服法が明かされました。石原さんは慣れたとおっしゃっていましたけど、石原さんなりの方法もあったのでしょうか。

石原:監督は泣くシーンの時はそれをやらないんですよ。

山田:あー、確かに。

石原:私、泣くシーンが多いんですね。あと、明るいシーンもそこまで多くないです。だから、山田さんと藤原さんの対決とか、追い込まれるシーンでうわーっとしゃべって盛り上げていたんでしょうね。だから、前回の作品の方が監督独特のそういう演出は多かったですね。

山田:前の時に慣れたんですよね。それってどうしたんですか。

石原:前のストロークをやります。例えば歩いているシーンで監督が話しはじめたら、撮影する少し前のところから私ははじめます。あと、タブレットの映像を見て泣くシーンも、「見る」少し前のところから回してもらったりとか。だから、監督がどうこうというよりも、自分の気持ちを集中させることを心がけました。

――お2人が実際に"男"に遭遇した場合、どんな行動をとりますか。

山田:ホント、マジで俺にはやめてって言います。やられるだろうから、海外行くなり、地方に行くなり、その人から離れますね。

石原:結構広い範囲で操ってきますしね(笑)。

山田:何されるか分からないというか、何をやらされているかも分からないですからね。本当にやめてほしいです。

石原:うーん…後ろに入るかな(笑)。

山田:ずっと(笑)?

石原:ずっと(笑)。振り返られても、どうにかして逃げる。

――操られるとはまた違いますが、互いが役者として惹きつけられる部分は?

石原:恥ずかしい(笑)。

山田:(映画のパンフレットを見ながら)えーっと…。

石原:それ見て、分かります(笑)?

山田:守らなきゃっていう感じなんじゃないですかね。だから、この役が来たんじゃないかと。芯はすごく強そうですけど、身体的にはあまり強そうじゃない。生命力があんまり強くなさそうというか。

石原:えー! 本当!? 褒められてるのか、けなされてるのかよく分からないです(笑)。

山田:一人で無人島とかにいたら、たぶんすぐ死ぬだろうなって。

石原:死なないですよ(笑)!

山田:一緒にいたらたぶん俺が魚とってあげなきゃいけないんだろうと。

石原:まだまだ私のこと知らないですね(笑)。

山田:そりゃあ、知らないけど(笑)。

石原:私は、山田さんの『フル・モンティ』見て思いましたけど…

山田:そう、来てくれたんですよ。

石原:なんか、人生を自分のやり方で豊かにしている感じがします。役柄を選ぶにしても、お仕事を選ぶにしてもそうですけど。常にいろんな感情になって、すごく豊かなイメージです。思いましたよ?

山田:そうっすか。

石原:楽しんでるなぁって。

山田:楽しんでいますよ。

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