東京急行電鉄はこのほど、2014年度の鉄軌道事業設備投資計画を発表した。減災対策・ホームや踏切の安全対策・駅施設の整備などに380億円、輸送力増強への取組みに52億円を投じる内容となっている。

東急電鉄が2014年度の鉄軌道事業設備投資計画を公表

減災対策としては、おもに駅や橋梁の耐震補強工事、高架橋やトンネルの長寿命化工事などを行い、大規模地震への備えを強化する。近年の異常気象も考慮し、避雷設備の増強による雷害対策にも取り組む。

ホーム上の安全対策としては、東横線代官山駅・武蔵小杉駅・横浜駅で今年度中にホームドアを設置するほか、引き続き固定式ホーム柵の設置にも取り組む。踏切では、歩行者を検知しやすい3D式の障害物検知装置への更新を順次進めるほか、非常停止ボタンの増設、監視カメラの新設・増設などを行う。

利便性向上に向けた取組みとして、渋谷駅では4月に開設した「渋谷ちかみちラウンジ」に続き、駅施設のリニューアル、エスカレーター・エレベーターの増設を実施。サイン増設による案内強化、コンシェルジュによる案内などと合わせて、快適な地下空間をめざした整備を行う。

今年度中にすべての駅で「お知らせモニター」を設置し、輸送障害発生時や災害時に、支障区間や原因、運転再開見込み、振替えルートなどを迅速に案内できるようにする。菊名駅でエレベーター増設、武蔵小杉駅・二子多摩川駅などでトイレ改修も行う予定。

輸送力増強への取組みとしては、東横線祐天寺駅での優等列車の通過線設置工事を引き続き推進し、速達性向上に努めるとしている。東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転開始にともなって不要となった東横線旧渋谷駅ならびに渋谷高架橋などの撤去工事も引き続き進める。