子供2人で大学まですべて私立の場合……なんと4,000万円以上が必要となる

子供の進学に関しては、親であればどなたも悩むこと。なるべく苦労をかけずに大学まで行かせたいというのが親心だろう。しかし、エスカレーター式ですべて私立の学校に行けば当然お金がかかる。反対に、すべて公立の学校であればお金はかからないが、受験が待ち構えている。ここでは、ファイナンシャルプランナーの菅田芳恵さんに教育費について解説していただく。

幼稚園から高等学校までにかかる教育費

学校教育費、学校給食費、学校外活動費含む

すべて公立(公→公→公→公)504万円
幼稚園のみ私立(私→公→公→公)599万円
高校のみ私立(公→公→公→私)662万円
幼稚園および高校が私立(私→公→公→私)757万円
小学校だけ公立(私→公→私→私)1,003万円
すべて私立(私→私→私→私) 1,702万円
出展:文科省「子供の学習費調査平成22年度」

大学入学から卒業までにかかる費用(授業料、入学金、施設設備費)の目安

国立大学243万円
私立大学449万円

出展: 文科省「平成23年度私立大学等の入学者に係る納付金等調査結果」平成22年度国立大学の授業料、入学料、検定料の調査結果」

教育費総額の公立と私立の差については、最も差が大きいのが小学校で私立が公立の4.8倍、次いで中学校の2.8倍となっています。もし、子供が2人いて大学まですべて私立の学校を選択すると、なんと4,000万円以上。マイホーム1軒分です。

親としては今の会社がどうなるのか、さらには自身の健康も不安です。勤務先の倒産や闘病などが理由で、せっかく私立に入ったのに途中で公立に変わらなければいけない、といった可能性も考えられます。それは子供の心にも負担をかけてしまうことになります。そのためにはあらかじめ4,000万円くらいを貯金しておき、それを取り崩していくがいいのですが、そんな貯金は若い時にはあるはずもありません。

特に高い私立小学校の教育費

私立と公立の費用の差が一番大きいのが小学校で、私立小学校では月々約10万円の費用がかかります。そこで、子供を私立の学校へと考えるのであれば、中学校からがいいと思います。小学校と中学校受験を比較した場合、中学校の方が難しいのは事実ですが、勉強をするのは子供です。子供が、「○○中学へ入学する」という強い意志を持っていれば合格するでしょうし、公立でもいいと考えていれば無理かもしれません。

中学校受験であれば、勉強をする本人の意思を尊重すべきでしょう。無理をして小学校から私立に入学させるよりは、近くの公立の小学校で近所の友達と遊ばせ、その間に貯金に励み、中学校から本人の意志を確認して私立に通わせるのをおすすめします。