小さい頃から「習い事」をさせて、子供の可能性を引き出してあげたいと思う親は多いもの。健康な体作りのためにスイミング、感性を磨かせるために音楽教室など、親の想いも様々だ。今回は、子供の習い事が家計に与える影響について、ファイナンシャル・プランナーの中島啓子さんに解説していただく。

習い事の費用、高校までの累計は……

習い事も高校までの費用を累計すると……

習い事は、お友達が習い始めたなどの理由で子供から「習いたい」と言い出し、始めるケースも少なくありません。そして、どうせ始めるのであれば、親としては「長く続けて欲しい」と思うのは当然のことでしょう。

次に、習い事に関するデータを見ていきましょう。文部科学省「平成24年度子どもの学習費調査」によると、学校外活動費のうち習い事にかかる「その他の学校外活動費」は、幼稚園の公立で平均5万2,947円・私立で8万2,229円、小学校では公立で12万1,157円・私立で25万8,167円となっています。上記は塾などの「補助学習費」は含まれていません。公立では小学校6年生から、私立では小学校4年生から、この補助学習費の割合が習い事の費用を上回るようになります。

この調査結果で小学校から高校までの習い事にかかる費用の平均を累積すると、公立でおよそ120万・私立では230万円程になります。さらに補助学習費を加えると、公立で280万円・私立では540万円近くになるのです。「月に5000円くらいなら」とスタートさせた習い事も、将来的には前述のような額になるのです。

あくまでも、この額は子供1人に対する費用であり、他に「学校教育費」「学校給食費」などが必要になることは言うまでもありません。お金を理由に子供ものやりたいことをあきらめさせたくないと思うのが親心です。子供が習い事を続けられるかどうかを心配するより、教育費が将来の家計を圧迫しないかどうか、試算してみてはいかがでしょうか。

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