ソチ五輪での羽生結弦選手の活躍によって、ますます注目を浴びている神社が神戸市東灘区にある。羽生選手の漢字表記の名前4文字中、「弦」と「羽」の2文字が入っていることから、「弓弦羽(ゆづるは)神社」は数年前からファンの間で話題となっているのだ。羽生選手が金メダリストになった今、神社はどうなっているのだろうか?

弓弦羽(ゆづるは)神社拝殿正面

神様、金メダルをありがとう!

同神社によると、名前が似ていることに気付いたファンたちが、羽生選手にお守りなどを贈ったことがきっかけとなり、人気に火がついたという。また、ソチ開幕前には、羽生選手の活躍を願う絵馬の奉納が絶えることがなかったんだとか。

となると気になるのが、金メダル獲得後のファンたちの動向。参拝者数にも変化があったに違いない。宮司の澤田さんに尋ねてみると、「1日の参拝者は大体20倍くらいアップしました。毎日1,000人前後の方にいらしていただいています」という。

ソチ開催前に活躍祈願の絵馬を奉納していたファンたちは、現在では金メダルを獲得できたことに対して、神様に感謝の気持ちを届けにくるのだという。また、羽生選手の活躍にあやかるために参拝する人も増えたのだとか。

ファンによる絵馬の数々

「遠方からいらっしゃる人も増えましたね。今日も、石巻や埼玉、神奈川から参拝にいらした方とお話しました。オリンピック前には、金メダルが取れるかどうか注目されていたこともあり、ファンのみならず取材にいらっしゃる方ともたくさんお話させていただいたので、ソチ本番中はテレビの前で私もハラハラドキドキしてました(笑)」。

羽生選手自身も2度参拝に

澤田さんの穏やかな雰囲気のためか、声をかけてくる参拝客も多いそうで、ある時は羽生選手の母親から話しかけられたこともあるのだとか。

「羽生選手のお母様は、ファンの方々からの贈り物やメッセージによって、うちの存在をお知りになったようですよ」。

また、羽生選手自身も2度の参拝を果たし、うち1回は「世界のトップになれますように… そして、東北の光となれるように!」(原文ママ)との言葉を託した絵馬を奉納している。

羽生選手奉納の絵馬

「羽生選手は、『東北の光になれるように』と祈願されましたが、私たちが暮らす神戸も同じく震災に見舞われた過去を持つことから、東北の支えになれたらと復興支援を続けています。

3月9日には、神戸の神主・巫女たち17人が宮城県の女川町総合体育館(牡鹿郡女川町女川浜190)に出向き、慰霊祭ならびに復興祈願祭を行います。餅つきや炊き出しの用意もあるので、是非足を運んでください!」。

羽生選手の笑顔同様に、接する相手をほっと和ませてくれる澤田さん。言葉の端々に、優しい気持ちがこもっているのが感じ取れる。

「もちろん、神社ならびに神戸にも遊びにいらしてくださいね。いらしていただいた方に『来て良かった。すがすがしい気持ちになれた』と言ってもらえたら、それだけでうれしいです。神社のまわりにはおいしいスイーツ屋もありますから、観光も楽しんでいただけると思いますよ」。