本田技研工業は14日、福岡県北九州市が取り組んでいる「北九州スマートコミュニティ創造事業」における共同実証実験として、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」から公共施設へ非常用電力を供給する実験を開始したと発表した。

燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」

同実証実験では、一般家庭のおよそ6日分の使用電力を供給できる、最大出力9kWの外部給電機能を装備したFCXクラリティを使用。FCXクラリティには、外部給電時に積載して出力した直流電力を交流に変換する「可搬型インバータボックス」を積載し、公共施設である「いのちのたび博物館」の10kW蓄電装置へ非常用電力を供給する。これにより、FCXクラリティの緊急時における移動可能な発電設備としての実用性に加え、災害時に避難所となる学校などの公共施設への非常用給電の効果検証を行っていくとのこと。

「FCXクラリティ」から、「いのちのたび博物館」への給電

なお、同社では2013年4月より経済産業省の「スマートコミュニティー実証」事業の一環として、「北九州市環境ミュージアム」の敷地内にある「北九州エコハウス」にFCXクラリティから電力を供給し、電力ピークカットに貢献する電力平準化の新たな方法としての実証実験も行っている。