イタリアのフェラーリは3月6日から一般公開されるジュネーブモーターショーに、新型のV8エンジンを搭載した「カリフォルニア T」を出展する。ターボチャージャーを採用するこのエンジンは49%のトルク増大と15%の燃費低減を果たすという。

フェラーリ「カリフォルニア T」

新しい「カリフォルニア T」は、最先端の革新的技術を多数採用する一方で、従来の2プラスのコンセプトやリトラクタブル・ハードトップ(RHT)といった特徴的な機能は継承されている。RHTはわずか14秒で、「カリフォルニア T」をクーペスタイルからスパイダーへと変化させることができる。

マラネッロの技術者が新たに開発した新型のV8エンジンは、最高出力560CVを発揮しながら、これまでのターボ・エンジンでは成しえなかった強烈なピックアップと、胸のすくようなサウンドを実現しているという。ターボラグは事実上ゼロに抑えられており、自然吸気エンジンのように瞬時に応答。可変ブースト・マネージメントによって、トルク・カーブも全回転域で増強している。

ターボチャージャーは燃料消費量とCO2排出量を低減するデバイスとしても機能し、このエンジンは出力で70CV、トルクで49%の強化を実現しながら、燃料消費量は15%低減した。F1で採用されている技術も導入されており、内部抵抗の少ないツインスクロール・タービンによって鋭いレスポンスが実現されている。生産工程の一部、とくに鋳造工程でスクーデリアの手法を採用し、同設備で生産している。

サウンドについては、フラットプレーン・クランクシャフト、3ピース鋳造エグゾースト・マニホールドなどを採用することでチューニング。回転数が上昇するにつれて、パワフルなサウンドがさらに増強されるが、これはターボ・エンジンを搭載するこの種の車両としては初めて実現されたものだという。

エンジン以外の部分でも、最新進化版のF1-Tracトラクション・コントロール・システムやCCM3(カーボン・セラミック・ブレーキ・システム)など、最新かつぜいたくな装備が多数採用されている。同モデルは3月6日から一般公開されるジュネーブモーターショーで公開されるが、ウェブサイトではその概略がすでに公開されている。