サントリーホールディングス(以下、サントリー)は13日、バーボンウイスキー「ジムビーム」などで知られる米国大手酒造メーカーのビーム社(米国・イリノイ州)を買収すると発表した。事業統合後の蒸留酒部門の売上高は約43億ドル(約4,400億円)で、世界3位になる。

サントリーが、ビーム社の全発行株済株式を過去3カ月の平均株価を24%上回る1株当たり83.5ドル、総額160億ドル(日本円で約1兆6,500億円、ビーム社の負債含む)で取得する。同取引は、両社の取締役会において全会一致の承認を得ており、今後、ビーム社の株主ならびに規制当局の承認やその他必要な手続きを終えた後、完了する予定という。

買収後は、世界最大の蒸留酒市場である米国をはじめ世界各地において、両社のブランドを展開する。ブランドポートフォリオは、バーボンウイスキー「ジムビーム」「メーカーズマーク」、スコッチウイスキー「ティーチャーズ」「ラフロイグ」、カナディアンウイスキー「カナディアンクラブ」、コニャック「クルボアジェ」、テキーラ「サウザ」、ウオツカ「ピナクル」、リキュール「ミドリ」などのほか、ジャパニーズウイスキー「山崎」「白州」「響」「角瓶」といった強力なラインナップとなる。

併せて、販売流通網の拡大や技術交流の深化により、グローバルな成長の実現を目指す。なお、ビーム社は今後も引き続き現ビーム社CEO以下経営陣が、シカゴ近郊の本社にて経営する予定となっている。

今回の買収について、佐治信忠サントリー代表取締役社長は「今回、『ジムビーム』『メーカーズマーク』等の世界的ブランドと販売網を有するビーム社と契約の締結に至り、大変嬉しく思います。この提携によって、世界でも類を見ない強力なポートフォリオを持つスピリッツ事業が誕生することになり、グローバルにさらに大きく成長できることを確信しています」とコメントしている。

マット・シャトックビーム社CEOは「この度の合意は、当社の株主に大きな価値をもたらし、将来の成長に向けた強固な事業基盤をもつ、より強力なグローバルカンパニーとなる礎になります。(中略)ビーム社従業員もサントリーのノウハウや資金力を活用し、共にグローバルな成長を続け、両社が受け継いできた伝統あるブランドをさらに成長させていきたいと思っています」と述べている。

ビーム社は世界有数の蒸留酒メーカー。2012年の売上高は25億ドル(酒税抜き)、販売数量は3,800万ケース(9L換算)を達成している。従業員は3,400人。