宛名を書く際にふと気になる…縦書き? 横書き?

いざ年賀状の宛名を書くとき、ふと気になる…縦書きにする? それとも横書き? 都道府県って書く? 敬称って? 今まで何気なく出していたけど、本当はどうするのが正解なんだろうか。そこで、年賀状を作成する前に確認しておきたいマナーを、清紫会 新・作法学院の近藤珠實さんに伺った。



縦横どちらでもいいけど、裏表を統一しましょう

近藤さん:

基本的には縦書きでも横書きでも構いませんが、表面を縦書きにした場合は裏面も縦書きに、表面を横書きにした場合は裏面も横書きというように、裏表統一させるのがマナーです。目上の方や、ビジネスシーンではできる限り、縦書きで送るのが望ましいですが、現在はご年配の方々でもパソコンを利用する機会が多く、以前と比較すると(横書きに対しての)理解も深まっています。

紫会 新・作法学院 近藤珠實さん

ただし、年賀状は新年最初の挨拶ですので、縦書きのほうが、より相手にも心は伝わるはず。日本語はもともと縦書きで発達してきましたからね。年末の多忙な時期でもあり、裏面を主流となっているプリント印刷で完結させてしまいがちですが、自分の心を表現するという意味でも、最低限1カ所程度は、自分の字で書くということを忘れないよう心掛けていただきたいですね。

宛名に関しては、相手の住所を書く際に、取引先や目上の方への場合も、それ以外の場合も、都道府県を省略することは失礼ではありません。だって、便利な郵便番号があるんですから、使った方がいいです(笑)

また、相手の名前は、はがきの中央に大きく明確に書いていただきたいですね。敬称に関しては、一般的に個人に宛てる場合は「様」、会社や部署に宛てるのであれば「御中」と書きます。連名の場合はそれぞれの名前の後に敬称を付けること。個人宛に送る場合に「殿」を使う方も見られますが、堅苦しさや相手を馬鹿にしているように受け取られることもあるので、今はほとんど使用しません。また、年賀状を送る相手が先生の場合は、「様」を使用するよりも、「先生」と書いたほうがベターです。

作業的には手間がかかりますが、せめて表面の宛名書きは印刷に頼るのではなく、心を込めて、自筆で書くのはいかがでしょうか。


近藤珠實
東京、神田生まれ。昭和52年に新作法『清紫会』を結成、同時に、新・作法学院を開設。平成6年5月よりフジテレビ『笑っていいとも』にレギュラー出演し、作法に音楽を取り入れ、「お作法ダンス」で一躍話題に。以後、テレビ出演、執筆、講演、社員研修、学校教育など幅広く活躍。また多くの女性誌のマナーページで指導監修をしている。