俳優の中井貴一、女優の波瑠が、作家・重松清の新作書き下ろし小説を原作とした映画『アゲイン』(2014年秋公開)に出演することが8日、明らかになった。
大森寿美男監督がメガホンを取る本作は、東日本大震災で無くなった父が送っていなかった28年分の年賀状の束が生み出す感動作。その束を見つけた娘・美枝は、理由を突き止めるべく、束の一番上にあった住所を訪ねる。そこで、父と高校時代に野球部で一緒に甲子園を目指していたという坂町晴彦と出会うが、美枝は父が野球経験者だと知らなかった。その後、美枝は坂町にボランティアとして参加している"高校野球・甲子園への再挑戦"「マスターズ甲子園」の参加を呼び掛け、チームメイトを集めていく。その中で、父について、野球部の誰も知らされていなかった真実が明かされる。
坂町役で主演を務める中井は、「我々世代が持つ喪失感と、同時に捨てられない希望にあがき、越えていこうとする主人公たちに共感を覚えました」と感想を述べ、「野球は未経験でしたが、練習を通じてこの歳ではじめてチームプレイの素晴らしさと難しさを知りました」とコメントを寄せた。一方、美枝役を演じるのは、映画『潔く柔く きよくやわく』など話題作に多数出演している波瑠。「本当に豪華なキャストの方々に囲まれるので、役目を果たせるよう精一杯頑張りたいです」と意気込み、「美枝の置かれた境遇や思いは、今まで自分自身経験した事のないものなので、この作品に関わる中で私も成長できればと思います」と語っていた。
中井、波瑠のほか、元チームメイトの髙橋役に柳葉敏郎、元野球部のマネジャー・裕子役に和久井映見が出演することも決定。撮影は、11月中旬にスタートし、クライマックスの甲子園での野球シーンは、甲子園を使用して12月の2日間にわたって行われる。